ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。以後お見知り置きをお願いいたします。

「リゴレット」の原作ユーゴー『王者の悦楽』を読む(新国立オペラ2023年5月28日)

新国立劇場の『リゴレット』を観に行って来ました。なかなか素晴らしい舞台で、とても楽しめました。 このブログでは、オペラに詳しくないぽん太の感想はちょっとだけにして、『リゴレット』の原作であるヴィクトル・ユーゴーの戯曲『王者の悦楽』をよりみち…

鶏は水中の死骸の上で鳴く「菅原伝授手習鑑」2023年5月国立劇場文楽第二部

初代国立劇場さよなら公演として、文楽「菅原伝授手習鑑」の通し上演が行われています。 令和5年5月は、第一部で初段、第二部で二段目の上演です。ぽん太は両方見に行く元気はなかったので、仁左衛門の菅丞相が記憶に残る歌舞伎の「道明寺」が含まれる二段目…

渋温泉・金具屋に込められた宮大工の遊び心/サンクゼール・ワイナリーによりみち

2022年11月上旬、ぽん太とにゃん子は渋温泉の金具屋に泊まりました。なんと約20年ぶりです。 映画『千と千尋の神隠し』のモデルの一つとも言われる木造4階建ての歴史ある建物。一部は登録有形文化財に指定されております。温泉も4つの自家源泉を持ち、浴場は…

3つの源泉を掛け流し・大丸温泉旅館(奥那須温泉)

2022年10月下旬、ぽん太とにゃん子は奥那須温泉の大丸温泉旅館に泊まりました。30年ぶりくらいの宿泊です。 何といっても宿の前を流れる川がまるごと温泉になっている「川の湯」が人気。混浴ですが、男女とも湯浴み着を着る決まりになってるので、どなたも安…

2023年4月歌舞伎座夜の部、仁左衛門と玉三郎の「切られ与三」

仁左衛門と玉三郎の「切られ与三」を観に歌舞伎座に行ってきました。今回は1等席。しかもなんと最前列を取ることができました。 ここのところずっと3階席の常連だったぽん太ですが、コロナの時期のリベンジ消費と、自分の老い先も短くなってきたので仁左衛門…

リノベーションされた快適な町屋に宿泊・近江八幡まちや倶楽部<別邸kolmio>

2022年10月中旬、滋賀の仏像巡りを楽しんだぽん太とにゃん子は、近江八幡市の「近江八幡まちや倶楽部」に宿を借りました。 このあたりは私たちが好きな温泉がないので、古い街並みにある老舗旅館にでも泊まろうかと探していたところ、ここを見つけました。 …

湖東三山・百済寺の秘仏・御本尊十一面観世音菩薩(植木観音)御開帳(2022年)

ぽん太は2022年10月、秘仏御本尊の十一面観世音菩薩の御開帳に合わせて、滋賀県の百済寺を訪れました。根のついた巨木を直接刻んだものであるため別名「植木観音」と呼ばれ、聖徳太子の命で造られたという言い伝えもあります。かつては一生に一度拝めればラ…

紅葉だけでなく仏像もすごい・湖東三山の西明寺

2022年10月中旬、ぽん太は滋賀県の西明寺に仏像を観に行ってきました。 滋賀県の湖東にあり紅葉で有名な西明寺ですが、本堂には平安時代の重要文化財を含む多数の仏像があり、見応えがあります。今回訪問時は、秘仏前立本尊の虎薬師が御開帳されており、また…

菅井円加が踊るノイマイヤーの「シルヴィア」ハンブルク・バレエ団2023年3月12日

ノイマイヤーが率いるハンブルク・バレエ団の来日公演、最終日の3月12日に「シルヴィア」を観てまいりました。 振り付けは素晴らしいし、菅井円加の踊りも見事だし、ノイマイヤーは来年で芸術監督退任が決まっているし、来日公演最終日だし、なんだかいろい…

「ジョン・ノイマイヤーの世界」ハンブルク・バレエ団2023年3月2日

ハンブルク・バレエ団の日本公演、まず「ジョン・ノイマイヤーの世界」を観てきました。 前回見たのは……なんと2018年。コロナで3年間舞台公演が止まっていたせいか、つい最近だったように感じられますが、もう5年前ですか。バレエの舞台を見れる時が再びやっ…

歌舞伎「霊験亀山鉾」仁左衛門が演じ納め・2023年2月歌舞伎座

片岡仁左衛門の一世一代『霊験亀山鉾』を観て参りました。 歌舞伎で「一世一代」というのは、今後はもうその役を演じないということ。仁左衛門はこれまで『義経千本桜』の「渡海屋・大物浦」、『女殺油地獄』、『絵本合法衢』を演じ納めてきましたが、これで…

西山温泉「慶雲館」ギネス認定世界最古の宿。豊富な湯量で完全源泉掛け流し。

世界最古の宿としてギネスに認定されている、山梨県の西山温泉「慶雲館」に泊まってきました。南アルプスの登山口に近い標高800mにある宿。湯量が豊富なためすべて源泉掛け流し。部屋の洗面台のお湯も源泉です。お料理も手が込んでいて大変美味しく、おすす…

文楽「国性爺合戦」2023年2月国立劇場・海外を舞台にした近松門左衛門の傑作

令和5年2月の国立劇場の文楽は、近松門左衛門の3本立て。ぽん太は第二部の「国性爺合戦」(こくせんやかっせん)を選びました。 この演目は以前に歌舞伎で見たことがあるはずですが、ま・っ・た・く覚えてません。寝倒していたのか、セリフが聞き取れなかっ…

映画「RRR」実在の独立指導者をモデルに「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」の神を重ね合わせる

コロナ第8波が収まってきたので、今更ながらですが話題の映画「RRR」を観てきました。 VFXを駆使したこれまで味わったことのない映像体験。まったく先が読めないストーリー展開。これでもかと繰り出されるアイディア。もちろんキレッキレのダンスもあり。素…

新国立劇場「タンホイザー」2023.2.11 久々のオペラはいいなあ♪

コロナの第8波が下火になったので、新国立劇場に「タンホイザー」を観にいて来ました。 前回オペラを観たのが2021年11月、新国立の「マイスタージンガー」ですから、なんと1年3ヶ月ぶり。久々のオペラは、す・ば・ら・し・かったです。ぽん太はいつも4階席で…

浅草歌舞伎2023年午後の部

3年ぶりに開催された新春浅草歌舞伎。 この間にぽん太もすっかり老衰し、もはやダブルヘッダーで観劇する元気もなくなったので、にゃん子ご贔屓の隼人くんが出演する第1部のみの観劇。 観てからだいぶ時間がたって忘れてしまったので、メモがわりのアップで…

高尾山・これまで行ったことがない仏舎利塔と林野庁殉職者慰霊碑を訪れる

運動不足解消のため、高尾山に登ってきました。琵琶滝コースを登り、帰りは1号路から琵琶滝に下る定番のコースでしたが、これまで何度も高尾山に登りながら1度も訪れたことがない、仏舎利塔と林野庁職者慰霊碑を初めて訪れました。 琵琶滝コースの飛び石付近…

鬼太郎が住むという布多天神社によりみち

2023年1月中旬、調布市にある布多天神社に、ちょっと遅い初詣に行ってきました。 神社の裏手の森にゲゲゲの鬼太郎が住んでいたことや、つげ義春の『無能の人』の舞台になっていることでも有名ですね。 布多天神社の紹介はいろいろあるので、このブログではち…

今回は別館(登録有形文化財)に泊まる。法師温泉長寿館

2年ぶりに法師温泉長寿館に泊まってきました。 ぽん太のこれまでの法師温泉の投稿を、下にリンクしておきます。 【温泉】法師温泉再訪(★★★★★): ぽん太のみちくさ精神科(2013/2/7) 【温泉】秘湯ブームの先駆け、いまだ健在!法師温泉長寿館(★★★★★): ぽん…

【仏像】ウクライナ戦争とコロナ禍を背負う・黒田安念寺いも観音

2022年10月中旬、ぽん太とにゃん子は、滋賀県は長浜市にある黒田安念寺を訪れました。ここには10体の破損物が祀られており、通称「いも観音」と呼ばれております。戦火を逃れるために田んぼの中に埋められ、このようなお姿になった仏さまたち。ロシアのウク…

ウクライナの現在「エグモント」序曲と未来「第九」/ウクライナ国立歌劇場管弦楽団・合唱団「第九」

ぽん太とにゃん子の年末恒例の「第九」。今年はどこのオケにしようかな。やっぱりあれしかないか。そう、ウクライナ国立歌劇場管弦楽団ですね。理由はやっぱりウクライナとロシアのアレですね。 オーソドックスで重厚な演奏でしたが、声楽の迫力に圧倒されま…

クリスマス準備が整った扉温泉明神旅館

これまで雪のある時期に行ったことがなかったので、今回は12月に訪れました。 サロンはクリスマスの飾りがすっかり整っておりました。 今回で3回目の宿泊のため、リピーター専用のクラブラウンジ「雪月花」を初めて利用することができました。入ってみるとそ…

【仏像】安産祈願の参拝者が絶えない現役の仏さま・腹帯観音(滋賀県長浅井町)

2022年10月中旬、滋賀県の仏像巡りにやってきたぽん太とにゃん子は、湖北にある大浦十一面腹帯観音堂を訪れ、腹帯観音さまを拝観してきました。 お腹に腹帯を巻いた珍しいお姿の観音様で、妊娠・安産祈願の信仰を集め、1年で1000人くらいの人が祈願に訪れる…

【宿】女将のいき届いたおもてなしが嬉しい茅葺のちっちゃな宿・長治庵(滋賀県長浜市)

2022年10月中旬、仏像巡りの旅で滋賀県を訪れたぽん太とにゃん子は、長浜市にある旅館・長治庵に留まりました。 琵琶湖から少し山の中に入った小さな集落にある全7室の小さなお宿。母屋は昔懐かしい茅葺き屋根。明るく素敵な女将さんのおもてなしが宿全体に…

諏訪法性の兜の実物がある・御神渡りと狐の関係 2022年12月国立劇場 文楽『本朝廿四孝』 

2023年10月で建て替えのため閉場する国立劇場のさよらな公演。2022年12月の文楽公演『本朝廿四孝』を観てまいりました。 武将たちの知略策略が複雑すぎます 諏訪法性の兜の実物が諏訪湖博物館・赤彦記念館にあります 諏訪湖の「御神渡り」と狐の関係 公演情…

【仏像】密教的な神秘性を持つ平安前期の伝千手観音・黒田観音寺@滋賀県長浜市

2022年10月中旬、ぽん太とにゃん子は滋賀県長浜市にある黒田観音寺を訪れ、千手観音さまを拝観してきました。 平安初期の一木造の仏さまで、千手観音と伝わっておりますが、腕が18本であることなどから准胝観音ではないかという説もあります。目が吊り上がっ…

【仏像】多くないけど見応えある常設展・福井県立若狭歴史博物館@小浜市

2022年10月中旬、ぽん太とにゃん子は福島県小浜市にある若狭歴史博物館を訪れました。お目当てはもちろん仏像なので、受付の人に怪訝そうな顔をされながらも、常設展だけのチケットを購入。 この記事では、福井県立若狭歴史博物館の常設展で展示されている仏…

【仏像】平安後期ながら古風で素朴な重文阿弥陀如来・萬徳寺@小浜市

2022年10月中旬、ぽん太とにゃん子は小浜市にある萬徳寺を訪れました。以前に2016年に訪問したことがあり、6年振り2回目となります。場所は小浜市の東、若狭彦神社のすぐ近くにあります。写真は書院ですが、茅葺きで暖かい感じですね。 この記事では萬徳寺の…

【小浜】お水送りと若狭神宮寺・鵜の瀬

奈良県東大寺で行われるお水取りは、春の訪れを告げる行事として有名ですが、その時使われる霊水が、小浜市にある鵜の瀬から「お水送り」という神事によって送られることはあまり知られていません。 この記事では、福井県小浜市の神宮寺・鵜の瀬で行われるお…

【歌舞伎】シン團十郎への期待と不安・2022年11月歌舞伎座夜の部

2022年11月中旬、ぽん太とにゃん子は團十郎の襲名披露公演を観に歌舞伎座に行ってきました。前回歌舞伎を観たのは2020年8月。なんと2年3ヶ月ぶりです。 今回の公演は、十三代目市川團十郎襲名披露&八代目市川新之助初舞台。歌舞伎界では数十年に一度という…