ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。最近はオペラやバレエの感想や、温泉のご紹介が多いです。以後よろしくお願いします。

『椿姫』シュツットガルト・バレエ団2024(バデネス/フォーゲル)

 シュツットガルト・バレエ団の2024年来日公演、前回の『オネーギン』に続いて今回は『椿姫』を観に行きました。とても素晴らしい舞台で、ぽん太は心底から感動しました!

 クランコ振付の『オネーギン』が古典を踏襲した美しさなら、ノイマイヤーの『椿姫』は斬新でドラマチック。細部に至るまでアイディアが散りばめられた、洗練された舞台でした。

 悲劇的な結末の幕が降りたあと、少し間をおいて観客席から拍手が湧き起こりました。舞台では、物語の中では再会を果たせなかったバデネスとフォーゲルが、役に入ったままの表情で現れ、抱き合う姿に拍手喝采。次第に「ブラボー!」の声が上がり、最後は興奮冷めやらぬスタンディングオべーションとなりました。

 今回の来日の最終公演ということもあり、最後はバレエ団のスタッフ達も、中には子供を連れ登場。暖かい雰囲気に包まれながら別れを惜しみ、再会を誓いました。

バデネス&フォーゲルの圧巻の演技

 キャスティングは、マルグリット役がエリサ・バデネス、アルマン役はフリーデマン・フォーゲル。先日観た『オネーギン』と同じベアだったので、「またか」と一瞬思いましたが、その卓越した演技力にすっかり魅了され、彼らで観られて本当に良かったと思いました。

 ノイマイヤーの振付は、感情表現が踊りだけでなく表情や仕草にも及びます。ぽん太の席は比較的前の方だったのですが、感情の機微や変化を捉えるために、オペラグラスでダンサーの表情を何度も見てしまいました。

 バデネスの表情は非常に豊かで、愛らしさや悲哀感を見事に表現。ただ、高級娼婦の気高さや妖艶さには少し物足りなかったです。一方フォーゲルは、大ベテランながらも若々しく純朴なアルマンを好演。説得力のある演技でマルグリットとのドラマを鮮烈に描き出しました。

 劇中劇のマノンとデ・グリュー役は、アグネス・スーとマッテオ・ミッチーニが雰囲気たっぷりに踊り、物語に幻想的な深みを加えていました。

 また、アルマンの友人のガストン役はアドナイ・ソアレス・ダ・シルヴァが好演。先日の『オネーギン』では純朴なレンスキーを踊りましたが、今回は社交界慣れした友人役で、全く異なる一面を見せてくれたのも興味深かったです。

ノイマイヤー版『椿姫』の魅力

 『椿姫』というと、今日ではヴェルディのオペラが最も馴染みがあると思いますが、ノイマイヤー版の『椿姫』はストーリーがだいぶ異なります。物語はオークションの場面から始まり、ラストではアルマンがマルグリットの死に間に合いません。実はこのバレエ版の方が、原作小説に忠実なのです。

 原作を書いたのはアレクサンドル・デュマ・フィス(父は『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』で有名なアレクサンドル・デュマ・ペール)。彼は、かつて交際していた実在の高級娼婦マリー・デュプレシをモデルにして、この小説を書き上げました。

 原作小説、オペラ、バレエのストーリーの違いに関しては、こちらの椿姫 - 名作ドラマへの招待というサイトにとても詳しく書かれているので、ぜひご一読をおすすめします。もちろん原作小説を読んでみるのもいいと思います。いろいろな翻訳がありまsが、新潮文庫にリンクしておきます。

 また、バレエでは劇中劇として演じられる『マノン・レスコー』も原作に書かれております。マルグリットが自らの境遇を重ね、最後までデ・グリューに見守られながら死んでいったマノンに憧れながらも、愛するアルマンをデ・グリューと同じ目に合わせまいと身を引くことを決意するのです。

 ここで時系列をおさらいしておくと、アベ・プレヴォーの小説『マノン・レスコー』が出版されたのが1731年。けっこう昔なんですね。それを踏まえたデュマ・フィスの小説『椿姫』の出版が、100年以上後の1848年。それからわずが5年後に、ヴェルディのオペラ『椿姫』が初演されました。アシュトン振付のバレエ『マルグリットとアルマン』が初演されたのは、約100年後の1963年で、ノイマイヤーの『椿姫』は1978年です。

 アルマンの父親が舞台下手にずっと座ってますが、舞台上の物語は、札束で侮辱するる場面まで、オークションの日にアルマンが父に語ったことだからです。上手にもオークションに出品されていた絨毯が置かれていることで、それを象徴しています。さらにその中に、マノンが劇中劇や夢想として交錯し、全体が三重構造になっているところなど、知的で興味深いです。札束の場面から後は、ナニーヌがアルマンに渡したマルグリットの手記の内容となっているなど、観るほどに発見があります。

 全編にショパンの音楽が使われているのもオシャレです。曲目については椿姫(バレエ) - Wikipediaに書かれているので、ご参照ください。

 第1幕はピアノ協奏曲第2番の全曲が使われています。演奏会用の曲なのに、バレエのストーリー展開に音楽が合っていて、しかも細かい曲想の変化に登場人物の心情の変化が見事に対応しているのが素晴らしいです。ノイマイヤーは『ニジンスキー』でもショスタコーヴィチ交響曲第11番全曲を上手に使っていました。

 また、アルマンの父親が息子と別れるようマルグリットに迫る恐ろしい場面で、まったく正反対の愛らしい前奏曲17番が疲れているのにもハッとさせられました。

 カーテンコールには振付家ノイマイヤー本人も登場し、盛大な拍手を浴びていました。ノイマイヤーは今でこそハンブルク・バレエ団の芸術監督・振付家ですが、若かりし頃はクランコの時代のシュツットガルトバレエ団でダンサーとして踊りながら振付を発表。また『椿姫』の初演はシュツットガルトバレエ団ですから、応援に来ていたのかもしれません。

公演情報

「椿姫」
シュツットガルト・バレエ団2024年日本公演

2024年11月10日
東京文化会館大ホール

公式サイト:https://www.nbs.or.jp/stages/2024/stuttgart/ladyofthecamellias.html

振付: ジョン・ノイマイヤー
音楽: フレデリック・ショパン
装置・衣裳: ユルゲン・ローゼ
世界初演:1978年11月4日、シュツットガルト・バレエ団

マルグリット・ゴーティエ:エリサ・バデネス
アルマン・デュヴァル:フリーデマン・フォーゲル
マノン・レスコー:アグネス・スー
デ・グリュー:マッテオ・ミッチーニ
プリュダンス:マッケンジー・ブラウン
ガストン・リュー:アドナイ・ソアレス・ダ・シルヴァ
オランプ:ディアナ・イオネスク
ムッシュー・デュヴァル:ジェイソン・レイリー
伯爵N:ヘンリック・エリクソン
公爵:マッテオ・クロッカード=ヴィラ
ナニーヌ(マルグリットの侍女):ソニア・サンティアゴ

ピアノ:アラステア・バヌマン
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮:ミハイル・アグレスト
グランドピアノ:アレクサンダー・ライテンバッハ(第1幕) 
小林知恵(第2幕)  
アンドレイ・ユソフ(第3幕)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団2024(ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番、『英雄の生涯』)

 アンドリス・ネルソンス指揮によるウィーン・フィルの2024年来日公演に行ってきました。今回は日程の関係で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番と『英雄の生涯』のプログラムだけいを鑑賞することになりました。

 残念ながら今回は周りの客運が悪く、左側の高齢男性は指揮をするかのように手を動かしたり拍子に合わせて膝を手のひらで叩いて音を立て(流石に『英雄の生涯』の指揮はできなかったようですが)、右のご婦人は途中でプログラムを派手に落とし、後ろの男性が背もたれを蹴ったり。さらに左後ろのサラリーマンは拍手中にスマホで写真を撮ってました。

 そんな状況にもめげず、ウイーン・フィルらしいふくよかでホッとする音楽に浸ることができました。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37

 ネルソンスの指揮を生で見るのは初めてでしたが、あまり指揮をしないのに驚きました。拍子もきざまなかったり、ニュアンスもそんなに指示しなかったり。体調が良くないのかと心配になりましたが、次の『英雄の生涯』ではしっかりと振っていたので、団員にお任せモードだったのかもしれません。

 ピアノのイェフィム・ブロンフマンは初めて聞きました。かつては超絶技巧で有名だったそうですが、今回は派手さのない端正な演奏で、細かな緩急や強弱に美しさが感じられました。特に第2楽章は抒情性が際立っていて、この曲の新たな美しさを感じることができました。

 アンコールはベートーヴェンピアノソナタ第7番の第2楽章でしたが、とてもゆっくり弾き始めたので、最初は何の曲かわかりませんでした。繊細なタッチが光る質の高い演奏に心を奪われました。アンコールで聴くのが贅沢に感じられる名演でした。

R. シュトラウス交響詩英雄の生涯』作品40

 『英雄の生涯』は昨年のベルリンフィルでも聴いており、ちょっと演目が被ってる気もしましたが、二つのオケの違いがわかって面白かったです。

 ベルリンフィルでは壮大で多層的で難解に聴こえた曲が、ウィーン・フィルでは流麗でユーモアに満ち、おしゃれな雰囲気が漂ってました。『英雄の生涯』でこんなにも楽しんで聴くことができるとは意外でした。

 ウインナ・ワルツが恒例のアンコールは、2曲とも馴染みのない曲でした。ヨハン・シュトラウス2世の『人生を楽しめ』 と、ヨーゼフ・シュトラウスポルカ・シュネル 『飛ぶように急いで』だそうですが、『英雄の生涯』の後だったため、4管編成の大オーケストラによる重厚で迫力が新鮮に感じられました。

 今から来年の来日公演が楽しみです。

公演情報

ウィーン・フィルハーモニーウィークインジャパン2024

指揮:アンドリス・ネルソンス
ピアノ:イェフィム・ブロンフマン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

サントリーホール
2024年11月13日

公式サイト・https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/wphweek2024/

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37  
(アンコール)ベートーヴェンピアノソナタ第7番 ニ長調 作品10-3 第2楽章
R. シュトラウス交響詩英雄の生涯』作品40
(アンコール)ヨハン・シュトラウス2世:人生を楽しめ 作品340
       ヨーゼフ・シュトラウスポルカ・シュネル 『飛ぶように急いで』 作品230

【原因と対策】Google Pixel 7aの写真をmacパソコンに取り込んで写真アプリで編集すると、保存できなくなる

 macユーザーのぽん太ですが、携帯はGoogle Pixel 7aを使ってます。撮った写真はUSBケーブルを使ってmacの写真アプリに取り込んで、保存しております。

 ところが先日、撮った写真を写真アプリで編集し、保存しようとしたら、「変更を保存できません。保存中にエラーが起きました。あとでやり直してっください。」というメッセージが表示され、保存できません。

 言われた通りにしばらくしてからやり直しても、やっぱり保存できません。

 この写真だけでなく、他の写真で試してみても、やっぱり保存できないようです。

 これまでは普通に編集できたいたのですが。

 写真アプリのライブラリーが壊れているのかと思い、ネットで検索して、「ライブラリーの修復」(→Mac で写真アプリの「ライブラリを修復」ツールを使う方法 - Apple サポート (日本))を試し見みましたが改善せず。

 ネットから持ってきたjpg画像を写真アプリに取り込んでみると、これは普通に編集結果を保存できます。

 また、何年も前に撮った写真も同じように編集結果を保存できます。

 ネットで検索しても同様の事例はありません。

 これはぽん太の手には負えないということで、appleの電話サポートに申し込んでみました。

 appleの電話サポートはすごいですね。パソコンで申し込んでから1〜2分で電話があり、そのあと何だかんだ30分近くあれこれと対応してくれました。この丁寧で迅速な対応はとても満足できましたが、残念ながら原因と対策はよくわからず、googleのサポートセンターにも問い合わせてみたら、ということで終わってしまいました。

 さらに調べていくと、ぽん太の写真のうち、2023年11月30日以前の写真は、Pixel 7aで撮ってますが、普通に編集保存することができ、2023年12月6日以降の写真は編集保存ができません。

 さらにネットで検索していて見つけたのがこの記事です→カメラのアップデートでPixel 7a、Pixel 7 Proが『Ultra HDR』をサポート!現状では扱い辛さも。 | ハイパーガジェット通信

 写真をより鮮やかに表現することができるUltra HDRはPixel 8で搭載されておりましたが、2023年11月28日のPixelカメラアプリのアップデートで、Pixel 7a、Pixel 7 Proにも搭載されることになったという内容です。

 検索してみると、Ultra HDRの画像は、対応していないアプリでは普通のjpegとして扱えるようですが、何かの不具合でmacの写真アプリでバグるようになってしまったのではないでしょうか。

 そこでまたまた調べてみて、Pixel 7aのカメラアプリの設定から、Ultra HDRの使用を停止してみました。そしらなんと、従来通りに編集結果を保存できるようになりました!

 しかし不思議なのは、何で最近になって急に、1年前まで遡って不具合が生じたのかということ。

 macの写真アプリの変更日を見てみると、2024年10月1日となっております。

 ということで、結論として、2024年10月1日のmacの写真アプリのアップデートで、何らかの理由で、Pixel 7aのUltra HDRの画像を取り込んだもののの編集結果を保存できなくなったというこのとようです。

 対策としては、Pixel 7aの設定で、Ultra HDRを使わない設定にすれば、撮った写真はmacの写真アプリで編集保存できます。

 あるいはUltra HDR設定のままにして、写真アプリの次のアップデートでの修正を待つ方法もあるかもしれません。

「オネーギン」シュツットガルト・バレエ団2024/11/3

 「オネーギン」と「椿姫」の二大演目をひっさげて、シュツットガルトバレエ団が6年ぶりに来日しました。今回はまず「オネーギン」を鑑賞しました。

 当初オネーギン役とタチアーナ役はジェイソン・レイリーとアンナ・オサチェンコがキャスティングされていましたが、オサチェンコが急病で来日できず、さらに当日、レイリーの休演が発表されました。結果としてオネーギンとタチアーナは看板ペアであるフォーゲルとバデネスが踊ることになり、これはこれで大変楽しみでしたが、レイリーとオサチェンコの踊りも観たかったです。

 

 フォーゲルももう45歳ですが、体力が衰えるどころか、以前より顔がほっそりして、渋みが出てきたように思います。そして何より表現力が圧巻でした。

 第1幕の「鏡のパ・ド・ドゥ」では、少女タチアーナの恋心が理想化したオネーギンで、自分を優しく暖かく包み込んでくれて、新たな世界へ導いてくれる年上の男性でした。また第2幕の舞踏会でレンスキーをからかうためにオリガと踊るシーンでは、レンスキーが「俺と踊る時とは全然違うじゃないか」と嫉妬するのも無理のない、ピッタリと揃った完璧なダンスでした。ダンスの後半では戯れるような振る舞いになり、時に「これは本気じゃないよ」と言わんばかりの雑な扱いも。

 決闘シーンは、オネーギンが本気でレンスキーを殺すつもりだったかどうかは、オペラ版では解釈が分かれるところですが、今回のバレエでは、オネーギンは決闘をやめたかったけりど、レンスキーの怒りが収まらず、最終的にはオネーギンはレンスキーめがけてピストルの引き金を引いてしまいます。撃った後に号泣する演技は心に沁みました。

 第3幕の手紙のパ・ド・ドゥでは、成長して侯爵夫人なったタチアーナに、おそらくは生まれて初めての恋の炎に突き動かされたオネーギンが、若き日々の過ちの後悔にさいなまれながら、苦しみの表情で愛を告白します。一方バデネスのタチアーナは、オネーギンの胸に飛び込みたいと思いながらも、公爵夫人という自分の立場、少女時代に受けた心の傷、そして「何であの時ではなく今なの」という複雑な感情が見事に表現されていました。

 ぽん太はバレエのテクニックのことはわかりませんが、こうした繊細な感情が、バレエの動きの中に表現されていることに感動しました。

 手紙のパ・ド・ドゥはガラ公演では定番の演目ですが、やっぱり全幕で見ると違いますね〜。踊っている方も気持ちの乗り方が違うんじゃないでしょうか。

 ただ、前にも書いたことがありますが、タチアーナが最後にオネーギンの手紙を破るというクランコの演出はぽん太は好きでありません。少女の淡い恋心を踏みにじったオネーギンの傍若無人な振る舞いを逆の立場でやり返すのではなく、成熟した女性として毅然な態度で彼の求愛を拒絶してほしかったです。

 

 オリガ役のイオネスクは、タチアーナとは対照的に外交的でちょっと軽率なキャラを見事に踊りました。レンスキー役のダ・シルヴァも端正で美しい踊りでしたが、ややがっしり体型なのが少し残念でした。

 ヴォルフガング・ハインツの力のこもった指揮に、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団もしっかりと応えておりました。

 

 バレエ『オネーギン』は、クランコの振付で1965年にシュツットガルト・バレ団によって初演されました。音楽はクルト=ハインツ・シュトルツェが担当。クランコの『じゃじゃ馬ならし』の音楽も彼ですね。『オネーギン』では、チャイコフキーのオペラ『エフゲニー・オネーギン』の楽曲を全く使わず、チャイコフスキーのあまり知られていないピアノ曲などを大幅に編曲しながらも、チャイコフスキー風の響きを残すという職人技を見せています。

 クランコ(1927 - 1973)は南アフリカ出身で、イギリスのサドラーズ・ウエルズ・バレエ団(現バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)などで踊りながら振付を発表。1960年にシュツットガルト・バレエ団に移籍し、『オネーギン』など数々の名作を生み出しました。晩年には飲酒量が増え、1973年に飛行機内で睡眠薬を服用したところ嘔吐して窒息し、45年間の生涯を閉じました。

 

 シュツットガルト・バレエ団の公演、次の『椿姫』も楽しみです!

公演情報

「オネーギン』

2024年11月3日
東京文化会館大ホール
公式サイト: https://www.nbs.or.jp/stages/2024/stuttgart/onegin.html

振付・演出:ジョン・クランコ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
編曲:クルト=ハインツ・シュトルツェ
装置・衣裳:ユルゲン・ローゼ

オネーギン:フリーデマン・フォーゲル
レンスキー(オネーギンの友人):アドナイ・ソアレス・ダ・シルヴァ
ラーリナ夫人(未亡人):ソニア・サンティアゴ
タチヤーナ(ラーリナ夫人の娘):エリサ・バデネス
オリガ(ラーリナ夫人の娘):ディアナ・イオネスク
彼女たちの乳母:マグダレナ・ジンギレフスカ
グレーミン公爵(ラーリナ家の友人):ファビオ・アドリシオ

近所の人々、ラーリナ夫人の親戚たち、 サンクトペテルブルクのグレーミン公爵の客人たち:シュツットガルト・バレエ団

指揮:ヴォルフガング・ハインツ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力:東京バレエ学校

コンヴィチュニー演出の「影のない女」 - 二期会オペラ


今回カテコは撮影可。盗撮ではありません。


 コンヴィチュニー演出の二期会オペラ『影のない女』を観てきました。

 世紀の鬼才ももう喜寿とのことですが、独創的で刺激的な演出は健在でした。恒例となった大ブーイングや、早々に席を立つ観客もおり、今回もスキャンダラスな舞台が展開されました。しかし日曜の公演にもかかわらず空席が目立っていたのが残念です。

 

 今回の演目はリヒャルト・シュトラウスの『影のない女』。ぽん太は2010年に新国立劇場で一度観たきりで、ほとんど内容を忘れてしまってます。なのでコンヴィチュニーがどのように解釈し演出したのか正確には比較できませんが、舞台を見ての印象をお伝えしたいともいます。

 コンヴィチュニーは皇帝はをマフィアのボスとして描き、舞台は地下駐車場で、何やら物騒な取引が行われております。銃声が何発か鳴り響いたところで、おもむろに序曲が始まります。またバラクは遺伝子操作研究所の所長で、研究室には胎児のサンプルが陳列され、「影=子供を産む能力」というテーマが露骨に演出され、エロチックで生々しい場面が繰り広げられます。

 もともとリヒャルト・シュトラウスは、このテーマをオブラートに包んで「影」と言い換えることでメルヘンチックな物語を作りました。しかしコンヴィチュニーは、それをあえて剥き出しにして幻想的な要素を排した演出を行いました。コンヴィチュにーらしい大胆な解釈かもしれませんが、ぽん太は品のない表現と感じられました。

 原作のラストでは、皇帝と皇后、バラク夫妻の希望に満ちた四重唱が、これからまれてくる子供達の未来を祝福します。しかし今回の演出では第2幕のラストが結末に使用され、物語は混乱とともに幕を閉じます。また舞台の途中で、生まれてきた子供が「どうか死なせて」と正反対のことを日本語で叫ぶ場面もショッキングでした。

 ラストの四重唱をカットしてあえて異なる幕切れを持ってくるなどといった改変は、オペラ演出としては掟破りですが、ぽん太としては、誰も彼もこれをやり始めたら困りますがが、コンヴィチュニーであれば許される気がしました。グレン・グールドの楽譜を無視した速度設定のピアノ演奏が、彼だからこそ成り立つような特別な存在感があるのと同じです。

 全体として現代的な不安感を生々しく表現していましたが、そこに新たな視点や強いメッセージが込められているわけではなく、少し物足りなさも残りました。破壊するだけではなく、何か美的な創造が感じられたらもっとよかったかもしれません。

 皇后が自分たちの所業に罪悪感を感じ、幕を引いて強引に舞台を閉じようとする場面など、部分ぶぶんでは印象に残るシーンがありましたが、全体として感動にまでは至らなかったのは事実です。二期会の公演ということもあり、歌手の力不足も影響したかもしれません。

 アレホ・ペレス指揮の東京交響楽団は迫力ある演奏を聞かせてくれました。時々目を閉じて舞台上のエログロを消し去って耳をそばだてると、リヒャルト・シュトラウスのとても美しい音楽が聴こえてきて癒されました。

 

 またコンビチュニー演出のオペラが国内で上演される際は、怖いもの見たさで観に行きたいと思っています。

 

影のない女
〈ワールドプレミエ〉

東京文化会館大ホール
2024年10月27日
公式サイト:影のない女|東京二期会オペラ劇場 -東京二期会ホームページ-

台本:フーゴ・フォン・ホフマンスタール
作曲:リヒャルト・シュトラウス

指揮:アレホ・ペレス
演出:ペーター・コンヴィチュニー

皇帝:樋口達哉
皇后:渡邊仁美
乳母:橋爪ゆか
伝令使:友清 崇 髙田智士 宮城島康
若い男の声:下村将太
鷹の声:種谷典子
ラク:河野鉄平
ラクの妻:田崎尚美
ラクの兄弟:岸浪愛学 的場正剛 狩野賢

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団

「夢遊病の女」新国立劇場オペラ クラウディア・ムスキオの静謐なベルカント

 先日、新国立劇場で上演されたオペラ「夢遊病の女」を観に行ってきました。

 この舞台はとても素晴らしく、ほかの観客も同じように感じたようで、アリアごとの拍手や最後のカーテンコールは大変な盛り上がりでした。

初めて聴いた「夢遊病の女」

 ベリーニ作曲の「夢遊病の女」は、ぽん太にとって初めての鑑賞体験でした。この作品はベルカント・オペラの代表作のひとつとして知られています。ベルカントといえば、コロラトゥーラやアジリタなど、細かく素早い装飾的な歌唱テクニックが特徴です。例えるなら、日本の演歌での「こぶし」に似たものですね。普段あまり耳にすることがないこのスタイルを聞いていると、うっとりしていい気持ちになります。ちなみにぽん太がベルカントの魅力を初めて体感したのは、新国立劇場で観たロッシーニの「チェネントラ」で、イスラムアラベスクのような美しさに衝撃を受けたことを覚えてます。

 ベリーニの音楽は、非常に優雅で気品に満ちています。極めて悲痛な場面で、プッチーニならば地獄の雄叫びみたいな音楽をつけるところも、ベリーニの音楽は長調の優美なメロディーです。また最も感動的なラストシーンであるアミーナのアリアでは、コロラトゥーラが一切使われていなかったことには驚きました。場面によってはコロラトゥーラを使わないことで、感情をより深く表現しているのだと感じました。

アミーナ役の若手歌手、クラウディア・ムスキオ

 今回、アミーナ役を演じたのはクラウディア・ムスキオでした。当初予定されていたローザ・フェオラが降板し、彼女が代役を務めました。1995年生まれの彼女は、まだ29歳の若手ながら、その歌唱力も演技力も素晴らしく、清楚な容姿も役にぴったりでした。冒頭の「私にはよい日和」の澄んだ歌声や、次の「胸は踊る」での見事なコロラトゥーラに、ぽん太はすっかり魅了されました。彼女はテクニックをひけらかすことなく、アミーナというキャラクターの感情をしっかりと表現していました。

 また、エルヴィーノ役は還暦を迎えるおっさんのシラグーザが軽やかな声でアミーナを支え、若いムスキオを引き立てていました。

バルバラ・リュックの演出の独自性

 演出はバルバラ・リュックが手掛けました。「夢遊病の女」は、19世紀初めのスイスの山村を舞台にした牧歌的なオペラのはずですが、今回の舞台は切り株の残った森林で、全体的に暗く、陰鬱な雰囲気が漂っていました。中央の大木には不気味な人形がぶら下がっていて、観ているだけで不安な気分にさせられました。

 さらに10人ほどのコンテンポラリー・ダンサーが登場し、アミーナに絡みながら、彼女の心象風景を表現していました(2024/2025シーズンオペラ開幕公演『夢遊病の女』 振付家イラッツェ・アンサ&イガール・バコヴィッチからのメッセージ)。この演出には賛否があるようですが、バレエ好きでもあるぽん太としては振り付けも踊りも質が高く、とても面白く感じました。これまで新国立オペラの中に出てくるバレエの振り付けはいまいちなものが多く、特にヴァグナーの「タンホイザー」は何だこりゃ!というしろものでした。

 今回の振り付けはスペインの振付家イラッツェ・アンサとイガール・バコヴィッチ。安藤菜々華さんをはじめとするはじめダンサーたちは、不案内なぽん太はどういう方々なのかよくわかりませんが、素晴らしいパフォーマンスに賛辞を送りたいと思います。

 元々このオペラは、1827年にパリで初演されたバレエ・パントマイムが元になっているため、ダンスはオリジナルへのオマージュと言えるかもしれませんね。

 リュックの演出意図に関しては、下にリンクしたjapan postのインタビューが参考になります。

 リュックは、夢遊病や心理学について調べた上で、アミーナのストレスや不安が夢遊病の原因であると解釈しています。男性優位の因習的な村のなかで孤児として育ち、嫉妬深い男性と結婚しようとしているアミーナの心情が、暗く不安定な舞台装置や無表情な村人たちに反映されているのです。ラストシーンでアミーナが最後まで水車小屋の上にいて、婚約者や村人たちがいる地面に降りてこないのは、この結婚がハッピーエンドで終わらず、その後も問題が待ち受けていることを示唆しているかのようでした。

 全体として、新国立劇場の「夢遊病の女」は、素晴らしいキャストとユニークな演出によって、非常に印象的な体験となりました。ベルカント・オペラを初めて観る方にもぜひお勧めしたい作品です。

公演情報

ヴィンチェンツォ・ベッリーニ
夢遊病の女」

新国立劇場オペラパレス
2024年10月9日
公式サイト

【指 揮】マウリツィオ・ベニーニ
【演 出】バルバラ・リュック
【美 術】クリストフ・ヘッツァー
【衣 裳】クララ・ペルッフォ
【照 明】ウルス・シェーネバウム
【振 付】イラッツェ・アンサ、イガール・バコヴィッチ
【演出補】アンナ・ポンセ
【舞台監督】髙橋尚史

【ロドルフォ伯爵】妻屋秀和
【テレーザ】谷口睦美
【アミーナ】クラウディア・ムスキオ
【エルヴィーノ】アントニーノ・シラグーザ
【リーザ】伊藤 晴
【アレッシオ】近藤 圭
【公証人】渡辺正

【ダンス】安藤菜々華 伊藤舞 辻しえる冨岡瑞希 矢野友実 池上たっくん 市場俊生 髙橋慈生 遠井公輝 渡部義紀

【合 唱】新国立劇場合唱団
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団

共同制作:テアトロ・レアル、リセウ大劇場、パレルモ・マッシモ劇場

菅井円加のキトリに驚く/世界バレエフェスティバル2024 Bプログラム

 先週のAプロに続き、Bプロを鑑賞。

 第1部は「ライモンダ」から。踊るのはボリショイを2017年に退団したアレクサンドロワと、現役の団員のラントラートフ。こんな時代だけど、一流のロシアバレエを堪能することができて良かったです。早く平和が訪れてほしいですね。

 続いてゴメスとリアブコの「アミ」。男性二人の踊りだけど、同性愛的な雰囲気はなく、長きにわたって苦楽を共にしてきたダチ、という感じかな。ダンディで男っぽいゴメスと、抽象的・造形的なリアブコの動きの対比が面白かったです。振付はゴメス。振付もするんですね。

 ついでブラウンとフィゲレドのシュツットガルト・ペアによる「ア・ダイアローグ 」。悪くはなかったけど、炎天下のなか涼しい会場に入って、昼食後で、コンテで、暗いでしょう。記憶が途切れとぎれです。

 続いて「ジュエルズより"ダイヤモンド" 」。キム・キミンはAプロでは素晴らしい身体能力を披露してくれましたが、Bプロではノーブルな美しさを披露。永久メイも素晴らしかったです。

 「バクチⅢ 」は、ベジャールが振付たインド舞踊風な作品。男女はヒンドゥー教シヴァ神と、その妻シャクティであるらしい。いきなり男女交合を表すミトゥナのポーズから始まってぽん太はびっくり。ベジャールはエロティックな表現も多いから、ま、いいのかな。1968年初演だそうで、早い時期の作品ですね。彼の世界を堪能することができました。踊ったのはベジャール・バレエ・ローザンヌNBSではなぜかモーリス・ベジャール・バレエ団と呼ぶ)の大橋真理とアレッサンドロ・カヴァッロ。もちろん二人ともベジャールがこの世を去ってからの入団。時は流れる。東京バレエ団の男性が加わっていました。

 第1部の〆はヌニュスとムンタギロフの「海賊」。Aプロのドンキではムンタギロフはあまり目立ちませんでしたが、今回は能力解放! 見たことない変わった空中姿勢を見せてくれました。ヌニュスも素晴らしく、感動しないわけにはいきません。

 

 第2部に入って、オニール八菜とルーヴェの「ソナチネ」。う〜ん、キレイなんですけど〜。表情がない、感情がない、ドラマがない。もっと一編のなかに様々な出来事があってもいいような気がするのですが……。

 待ってました「ロミオとジュリエットより第1幕のパ・ド・ドゥ 」。サラ・ラム とブレイスウェルの二人は、踊りもさることながら、まるで映画の一場面のようなビジュアル。ありがとうございました。ただちょっとウルウル感に欠けたような気もするけど。

 「マーラー交響曲第3番 」では、菅井円加のコンテンポラリーを楽しむことができました。Aプロの「ハロー」は、ぽん太はちょっと振付が好みではありませんでしたが。トルーシュとも息が合ってて、すばらしいダンスでした。

 英国ロイヤルのナグディとクラークによる「マノンより第1幕の寝室のパ・ド・ドゥ 」。さまざまなリフトを含むマクミランの振付が素晴らしいです。ロミジュリも見れたし、もうお腹いっぱいです。

 ベジャール振り付けの「ニーベルングの指環 」。ジル・ロマンはAプロでは両手を動かすばかりでもう踊れないのではないかと心配しましたが、大丈夫なようで安心しました。しかしこの赤い髪の毛のキャラ、マクドナルドのドナルドというか、昔のロンドンブーツ淳というか。踊りの意味がよくわかりませんでした。お相手はヴィシニョーワです。

 

 3部の最初の演目は、フェリとボッレの「ル・パルク」。Aプロにもあった演目なので、Bプロは違う場面かと思ったら、同じ「解放のパ・ド・ドゥ」だったのでちょっとびっくり。ただ二人の衣装はナチュラルで簡素で、オリジナルのルイ王朝時代のエロティシズムは消え去っており、静けさと穏やかな愛が感じられる名演でした。

 打って変わって荒々しくダークな「うたかたの恋より第2幕のパ・ド・ドゥ 」。フォーゲルは期待通りの好演。バデネスのマリーは可愛すぎるんじゃないかと思いましたが、はしゃぎながら天井に向けてピストルをぶっ放すところには恐怖を感じました。

 次は「欲望」。ぽん太の推しのリアブコ、Aプロのウィールドン振付の「マーキュリアル・マヌヴァーズ」ではいいところを見れなかったけど、「欲望 」では彼特有の身体表現を堪能できました。やっぱりノイマイヤーの振付がいいのかな〜? アッツォーニも良かったです。

  「オネーギンより第3幕のパ・ド・ドゥ 」はガラの定番ですね。ジルベールとマルシャンが踊りました。悪くなかったですが、いまさら言い寄ってくるオネーギンの邪悪さがあまり出てなかった気がします。

 さあ、トリは「ドン・キホーテ 」。コンテンポラリーでは定評ある菅井円加がキトリちゃんをどう踊るのか、ぽん太はとっても楽しみにしておりました。
 す・ば・ら・し・かったです。緊張も感じられず、手慣れた感じで堂々と踊ってましたね。安定感があり、バランスもAプロのヌニュスより長かったかも。グラン・フェッテも前半は全部ドゥブル! すごいテクニックを持ってるんですね。あとは軽やかさと、スペイン的なキメとかがあれば完璧だと思います。まだまだこれからが楽しみです。シムキン君も安定したパーフェクトな踊りでした。

 

 今年も真夏の祭典・世界バレエフェスティバルが終わりました。次回は3年後。平和が訪れて、久々登場のロシア・ダンサーたちに拍手喝采を送りたいです。

 

世界バレエフェスティバル2024 Bプログラム

東京文化会館
2024年8月10日
公式サイト

― 第1部 ―

ライモンダ
振付:マリウス・プティパ 音楽:アレクサンドル・グラズノフ
マリーヤ・アレクサンドロワ
ヴラディスラフ・ラントラートフ

アミ
振付:マルセロ・ゴメス 音楽:フレデリック・ショパン
マルセロ・ゴメス
アレクサンドル・リアブコ

ア・ダイアローグ
振付:ロマン・ノヴィツキー 音楽:ニーナ・シモン
マッケンジー・ブラウン
ガブリエル・フィゲレド

ジュエルズより"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・チャイコフスキー
永久メイ
キム・キミン

バクチⅢ
振付:モーリス・ベジャール 音楽:インドの伝統音楽
大橋真理
アレッサンドロ・カヴァッロ
東京バレエ団

海賊
振付:マリウス・プティパ 音楽:リッカルド・ドリゴ
マリアネラ・ヌニュス
ワディム・ムンタギロフ

― 第2部 ―

ソナチネ
振付:ジョージ・バランシン 音楽:モーリス・ラヴェル
オニール八菜
ジェルマン・ルーヴェ

ロミオとジュリエットより第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン 音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
サラ・ラム
ウィリアム・ブレイスウェル

マーラー交響曲第3番
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:グスタフ・マーラー
菅井円加
アサクサンドル・トルーシュ

マノンより第1幕の寝室のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン 音楽:ジュール・マスネ
ヤスミン・ナグディ
リース・クラーク

ニーベルングの指環
振付:モーリス・ベジャール 音楽:リヒャルト・ワーグナー
ディアナ・ヴィシニョーワ
ジル・ロマン

― 第3部 ―

ル・パルク
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト
アレッサンドラ・フェリ
ロベルト・ボッレ

うたかたの恋より第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン 音楽:フランツ・リスト 編曲:ジョン・ランチベリー
エリサ・バデネス
フリーデマン・フォーゲル

欲望
振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:アレクサンドル・スクリャービン
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ

オネーギンより第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ 音楽:ピョートル・チャイコフスキー 編曲:クルト=ハインツ・シュトルツェ
ドロテ・ジルベール
ユーゴ・マルシャン

ドン・キホーテ
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
菅井円加
ダニール・シムキン

指揮: ワレリー・オブジャニコフ、ロベルタス・セルヴェニカス
演奏: 東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ: 滝澤志野(「アミ」、「ソナチネ」、「ル・パルク」、「欲望」)