ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。以後お見知り置きをお願いいたします。

若さゆえの好演!隼人の『女殺油地獄』三月花形歌舞伎(2024年3月南座)

隼人くん推しのにゃん子につきあって、京都南座まで花形歌舞伎を観に行ってきました。正直あんまり期待してなかったけれど、「女殺油地獄」の隼人くんの与兵衛が素晴らしく、すっかり引き込まれて思わず涙をこぼれてきました。若さが生み出した体当たりの名…

大野和士指揮の繊細で甘美な「トリスタンとイゾルデ」新国立劇場オペラ

新国立劇場に『トリスタンとイゾルデ』を観に行ってきました。いや〜良かったです。 ぽん太が前回このオペラを観たのは、調べてみると2007年のベルリン国立歌劇場の来日公演。この間、「前奏曲と愛の死」は動画やCDで何回かは聴いたものの、全幕は17年ぶりで…

シウリーナの歌唱力に驚愕「オネーギン」新国立劇場オペラ2024年・付:チャイコフスキーの愛と苦悩

ぽん太の2024年最初のオペラは、新国立劇場で上演された「エウゲニ・オネーギン」でした。 プーシキンの原作を元にチャイコフスキーが作曲した名作オペラですが、クランコ振付のバレエ版も有名です。 チャイコフスキー自身が「オペラ」ではなく「抒情的情景…

醍醐寺伝来の平安仏、如意輪観音像と二童子像が加わった半蔵門ミュージアム常設展

半蔵門ミュージアムに京都醍醐寺伝来の平安仏、如意輪観音菩薩坐像と二童子像が加わったと聞き、見に行ってきました。 これらの仏像が加わるのは常設展なので、今後は継続的に拝観できることになります。なかなか見事な仏像で、こうした仏像を無料で拝観でき…

「年始ご挨拶」が復活!隼人くんが与三郎を熱演 新春浅草歌舞伎第1部

新春浅草歌舞伎を観に行ってきました。妻にゃん子の「推し」の隼人くんが切られ与三郎を演じるとのことで、おつきあいで第1部を観劇。 今年は松也らの座組になってから10年目の節目となる年なので、演目に古典の大作をそろえているそうです。 浅草公会堂の入…

普段は拝観できない仏像がいっぱい・特別展「足柄の仏像」神奈川県立歴史博物館

足柄とは神奈川県西部・湘南の地域を指すそうで、大雑把に言うと、神奈川県のうち小田原より西の地域です。 この地域には多くの仏像が伝えられていますが、非公開のものが多いので個人で廻るのは大変です。今回はそうした仏像を一度に拝観できる貴重な機会で…

重文銅造大日如来をはじめとする平安まで遡る諸仏「国府津山 宝金剛寺-密教美術の宝庫-」鎌倉国宝館

2023年秋に鎌倉国宝館で行われた特別展「国府津山 宝金剛寺-密教美術の宝庫-」を見に行ってきました。 宝金剛寺(ほうこんごうじ)は小田原市という近場にありながら、仏像の拝観は2年に1度の秋の文化財公開の時しかできません。しかも博物館ということで…

【2024年・令和6年版】日野七福神巡りガイド

お正月はどこに出かけても混んでるし、だからといってずっと家で過ごすのも……。そんな方におすすめなのが、ウォーキングにもなり、初詣のご利益もある日野七福神巡りです。 ぽん太は2023年(令和5年)の正月、コロナでどこにも行けないので時間を持て余し、…

年末の感動!ウクライナ国立劇場管弦楽団「第九」

今年の年末も、昨年に引き続きウクライナ国立歌劇場管弦楽団の第九に行ってきました。ロシアのウクライナ侵攻も、人々の関心はイスラエル・ガザ戦争に移り、国際社会に支援疲れも出てきているようですが、せめてコンサートに行くことで応援してあげたいとこ…

明るく楽しいけどどこか哀しいヨハン・シュトラウスの「こうもり」新国立劇場オペラ

イスラエルのガザ侵攻やら政治と金問題やら暗い世相を吹き飛ばすべく、明るく楽しいヨハン・シュトラウスの「こうもり」を観に新国立劇場に行ってきました。 ハインツ・ツェドニクの演出、オラフ・ツォンベックの美術という新国立劇場定番のプロダクションで…

キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィル来日公演2023

先週のウィーンフィルに続き、こんどはベルリンフィルを鑑賞。なんと贅沢なことでしょう。 指揮はロシア人のキリル・ペトレンコで、曲目にはリヒャルト・シュトラウスの交響詩が入ってて、なんだかウィーンフィルと被ってるような……。それともコラボ企画か?…

代演のソヒエフが大健闘!ウィーンフィル2023年日本公演・11月12日サントリーホール

2年ぶりとなるウィーンフィルの来日公演に行ってきました。残念ながら今回は予定が合わず、「ツァラトゥストラ」と「ブラームス1番」の1公演のみ。 やっぱりウィーンフィルの音は素晴らしいですね〜。ツァラトゥストラの有名な冒頭のトゥッティで、いったん…

唐風の秋篠寺・十一面観音が出品「総合文化展」東京国立博物館(2023年10月)

特別展「京都・南山城の仏像」のあと、総合文化展を観ました。いわゆる常設展ですが定期的に入れ替えがあり、重文もいっぱいあり、一部を除いて写真撮影もできるので、東博に行ったら必ず寄ることにしています。 こんかいは秋篠寺の十一面観音が、唐風で面白…

「京都・南山城の仏像」東京国立博物館

東京国立博物館で開かれている《京都・南山城の仏像》展に行ってきました。 ぽん太は最初「南山城」の文字を見て「な、なんざんじょう? どこ、それ」と思ったのですが、「みなみやましろ」とのこと。 京都南部の奈良との県境のあたりを指すようで、このあた…

追悼・飯守泰次郎:ぽん太が選んだ名演ベスト2

指揮者の飯守泰次郎氏が8月15日、82歳で他界したというニュースが流れました。ご冥福をお祈りいたします。 このブログでは、単なるクラシック愛好家のぽん太の印象に残った名演について書きます。 東京シティフィルの定期演奏会や新国立劇場オペラで聴かせて…

文楽「菅原伝授手習鑑」ついに通し上演の大団円 国立劇場2023年9月第2部

8・9月の国立劇場文楽は、「菅原伝授手習鑑」の通し上演の後半。 どれを観ようかな? 高潔温厚な菅丞相が激おこして雷神に変ずるという4段目「天拝山」も興味深いですが、やはり「寺子屋」がある第2部にしました。 で、「寺子屋」……。感動で涙が止まりません…

リアブコのソロも見たかった 勅使川原三郎〈ランボー詩集 「地獄の季節」から「イリュミナシオン」へ〉

お盆休みのさなか、勅使川原三郎の〈ランボー詩集 「地獄の季節」から「イリュミナシオン」へ〉を観に池袋まで行ってきました。 ぽん太の好きなバレエダンサー、アレクサンドル・リアブコが出演していたからです。 このブログには、ダンスにも詩にもド素人な…

マルコ・ゲッケ振付の『悪夢』に衝撃を受ける〈ル・グラン・ガラ2023〉Bプロ

マチネのAプロに続き、本日のダブルヘッダー第2試合、Bプロです。さすがにちょっと頭がぼーっとしましたが、合間で食べた鰻のおかげか、最後まで眠くならずに観ることができました。 Aプロ、Bプロを1日で観てぽん太の頭はごっちゃになっているので、印象に残…

日本人ハーフのクララ・ムーセーニュは愛らしくて実力もある〈ル・グラン・ガラ2023〉Aプロ

パリ・オペラ座バレエ団のトップスターを招いた〈ル・グラン・ガラ〉。4年ぶりの公演です。 日程の都合から、8月2日にマチネでAプロ、ソワレでBプロと、ダブルヘッダーで観たのですが、もう絶対やめた。疲れがたまってぼーっとしてくるし、あいだの時間をつ…

ヌレエフの「くるみ割り」振付は罰ゲームですか?〈オペラ座ガラ〉-ヌレエフに捧ぐ-Bプロ

〈オペラ座ガラ〉-ヌレエフに捧ぐ-、今回はBプロです。 Bプロはヌレエフ振付が少なめに感じますが、なにやら「さすらう若人の歌」はヌレエフが最後の舞台で踊った演目らしく、他の演目もそれぞれヌレエフとゆかりがあるのかもしれませんが、ぽん太にはよく…

エイマンの変化に驚く〈オペラ座ガラ〉-ヌレエフに捧ぐ-Aプロ

ヌレエフの没後30年を記念した〈オペラ座ガラ〉-ヌレエフに捧ぐ-のAプロを観てきました。このブログはバレエ好きタヌキ爺ぽん太の個人的感想です。 ヌレエフと踊ったことがあるフロランス・クレールが指導 エイマンの「ダンス組曲」が傑出!ルグリの後継者…

オシポワの演技力と踊りが進化「ロミオとジュリエット」英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演

ますます演技力を高め、英国ロイヤル風の優雅な踊りを身につけたオシポワ マクミラン振付のラストはバルコニーシーンの再現か 公演情報 ますます演技力を高め、英国ロイヤル風の優雅な踊りを身につけたオシポワ 英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演のもう…

オシポワが演技派に転向?〈ロイヤル・セレブレーション〉英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演

英国ロイヤル・バレエ団がコロナ禍を経て4年ぶりに来日。あゝ、観れるだけで嬉しい限りですが、パフォーマンスも素晴らしかったです。客席に吉田都ちゃんの姿があり、英国ロイヤル関係者と久々の再会を喜んでいたのが、印象的でした。 また肉体派(?)のオ…

「義経千本桜」には桜のシーンはない 仁左衛門のいがみの権太と松緑の源九郎狐(2023年6月歌舞伎座夜の部)

令和5年6月歌舞伎座夜の部を観に行ってきました。今回もなぜか最前列の席を取ることができました。 仁左衛門の「いがみの権太」を観るのは何度目かですが、今回は間近で細かい表情や動きも見れ、とても素晴らしかったです。松緑の「四の切」は、これは近くで…

『特別展 無冠の仏像—伊豆・静岡東部の無指定文化財』上原美術館

2023年の12月上旬、ぽん太とにゃん子は下田の上原美術館に仏像を観に行ってきました。『無冠の仏像ー伊豆・静岡東部の無指定文化財』という特別展ですが、国宝や重文の名品展がメジャーな博物館で大々的に行われるなか、あえて文化財指定を受けていない仏像…

湯ヶ野温泉福田家と小説『伊豆の踊子』を比較検討してみたよ

2022年11月下旬、ぽん太とにゃん子は伊豆の福田家に泊まってきました。15年ぶり2回目の宿泊です。 福田家は「伊豆の踊子の宿」と銘打っておりますが、ノーベル賞作家の川端康成がこの宿に泊まった時の体験をもとにして、名作『伊豆の踊子』を書いたことで有…

「リゴレット」の原作ユーゴー『王者の悦楽』を読む(新国立オペラ2023年5月28日)

新国立劇場の『リゴレット』を観に行って来ました。なかなか素晴らしい舞台で、とても楽しめました。 このブログでは、オペラに詳しくないぽん太の感想はちょっとだけにして、『リゴレット』の原作であるヴィクトル・ユーゴーの戯曲『王者の悦楽』をよりみち…

鶏は水中の死骸の上で鳴く「菅原伝授手習鑑」2023年5月国立劇場文楽第二部

初代国立劇場さよなら公演として、文楽「菅原伝授手習鑑」の通し上演が行われています。 令和5年5月は、第一部で初段、第二部で二段目の上演です。ぽん太は両方見に行く元気はなかったので、仁左衛門の菅丞相が記憶に残る歌舞伎の「道明寺」が含まれる二段目…

渋温泉・金具屋に込められた宮大工の遊び心/サンクゼール・ワイナリーによりみち

2022年11月上旬、ぽん太とにゃん子は渋温泉の金具屋に泊まりました。なんと約20年ぶりです。 映画『千と千尋の神隠し』のモデルの一つとも言われる木造4階建ての歴史ある建物。一部は登録有形文化財に指定されております。温泉も4つの自家源泉を持ち、浴場は…

3つの源泉を掛け流し・大丸温泉旅館(奥那須温泉)

2022年10月下旬、ぽん太とにゃん子は奥那須温泉の大丸温泉旅館に泊まりました。30年ぶりくらいの宿泊です。 何といっても宿の前を流れる川がまるごと温泉になっている「川の湯」が人気。混浴ですが、男女とも湯浴み着を着る決まりになってるので、どなたも安…