ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。以後お見知り置きをお願いいたします。

「ジョン・ノイマイヤーの世界」ハンブルク・バレエ団2023年3月2日

 ハンブルク・バレエ団の日本公演、まず「ジョン・ノイマイヤーの世界」を観てきました。

 前回見たのは……なんと2018年。コロナで3年間舞台公演が止まっていたせいか、つい最近だったように感じられますが、もう5年前ですか。バレエの舞台を見れる時が再びやってきて、うれしい限りです。しかも今回の席は5列目だったので、ダンサーたちの細かい表情や息遣いが感じられました。やっぱり生はいいな〜。

 「ジョン・ノイマイヤーの世界」は、前回の来日公演でも上演した演目。ノイマイヤー振り付け作品のガラみたいなもんですが、ノイマイヤー自身が舞台に立っての語りと、彼の分身役のダンサーが加わって、ノイマイヤーのバレエ人生をたどり、彼の創造や思想の奥底をかいま見ることができます。

 5年前の演目と比べると、いくつかが入れ替わっているようですね。

 コロナの最初のロックダウン中に振り付けられた新作「ゴースト・ライト」が加わっています。舞台上に灯されたたった一つの電球の前で、アッツォーニ、リアブコほか数人のダンサーが静謐な踊りを踊ります。アメリカでは、使われていない舞台上にライトがひとつだけ灯しておく習慣があり、これをゴースト・ライトと言うんだそうです。

 コロナ禍で舞台公演ができない状態でのバレエ、観客のいないバレエですね。今このバレエが、満員の観客の前で踊られるということは、奇跡のような気がします。(タヌキ界の)医者の端くれであるぽん太は、3年前新型コロナが流行り始めたころ、ひょっとしたら人口の3分の1くらいが亡くなるかもしれないなどと思ってました。

 ダンサーでは、2019年にハンブルク・バレエ団の日本人初のプリンシパルになった菅井円加が大活躍。ローザンヌで1位入賞した時のダンスは印象的でした。こんかいはトリの「マーラー交響曲第3番」で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。5年前のときはアッツォーニが踊ってました。

 アリーナ・コジョカルが、「くるみ割り人形」のマリーと、「椿姫」のマグリットを踊りました。あいかわらずちょっとした動きや仕草に見惚れてしまう素晴らしい踊りで、ルックスも可愛らしい。天は二物を与えたか。

 ぽん太の好きなリアブコも「ゴースト・ライト」を踊ってました。独特の表現力があり、ペーソスが漂います。
 いまググっていたら、新国立劇場オペラの「オルフェオとエウリディーチェ」(2022年5月)に出ていたのか! ううう、観ればよかった。まだまだコロナの最中でノーマークでした(オルフェオとエウリディーチェ | 舞台写真・公演記録 | 新国立劇場)。

基本情報

ハンブルク・バレエ団2023年日本公演
ジョン・ノイマイヤーの世界〉Edition 2023

2023年3月2日
東京文化会館

振付・演出・語り:ジョン・ノイマイヤー
※『作品100―モーリスのために』以外すべて抜粋上演。

-第1部-

「キャンディード序曲」
バーンスタイン・ダンス』より

スー・リン - クリストファー・エヴァンス
グレタ・ヨーゲンズ - ヤコポ・ベル―シ
菅井円加 - フェリックス・パケ、ほか

「アイ・ガット・リズム」
『シャル・ウィ・ダンス?』より

イダ・プレトリウス - アレッサンドロ・フローラ、ほか

くるみ割り人形

マリー:アリーナ・コジョカル
ギュンター:マティアス・オベルリン
ルイーズ:アンナ・ラウデール
ドロッセルマイヤー: ボリヤ・ベルムデス、 クリストファー・エヴァンス ほか

ヴェニスに死す」

シルヴィア・アッツォーニ、クリストファー・エヴァンス、
カレン・アザチャン

「シルヴィア」

シルヴィア:菅井円加
アミンタ:アレクサンドル・トルーシュ

アンナ・カレーニナ

アンナ・カレーニナ:アンナ・ラウデール
アレクセイ・ヴロンスキー:エドウィン・レヴァツォフ
キティ:エミリー・マゾン
リョーヴィン:アレイズ・マルティネス
労働者:カレン・アザチャン

「椿姫」

マルグリット:アリーナ・コジョカル
アルマン:アレクサンドル・トルーシュ

「クリスマス・オラトリオⅠ-Ⅵ」

クリストファー・エヴァンス、パトリシア・フリッツァ、
パク・ユンス、ラセ・カバイエロ、シャーロット・ラーゼラー、
ヤコポ・ベル―シ、ほか

-第2部-

ニジンスキー

ヴァスラフ・ニジンスキー: アレイズ・マルティネス
ロモラ・ニジンスキー:ヤイサ・コル
スタニスラフ・ニジンスキー:ルイ・ミュザン
ブロニスラヴァ・ニジンスカ:パトリシア・フリッツァ
ペトルーシュカを踊るニジンスキー:クリストファー・エヴァンス ほか

「ゴースト・ライト」

シルヴィア・アッツォーニ - アレクサンドル・リアブコ
マティアス・オベルリン - ダヴィッド・ロドリゲス

菅井円加 - ニコラス・グラスマン、ほか

「作品100―モーリスのために」

エドヴィン・レヴァツォフ - アレクサンドル・リアブコ

マーラー交響曲第3番」

菅井円加、カレン・アザチャン、ほか