ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。以後お見知り置きをお願いいたします。

今回は別館(登録有形文化財)に泊まる。法師温泉長寿館

 2年ぶりに法師温泉長寿館に泊まってきました。

 ぽん太のこれまでの法師温泉の投稿を、下にリンクしておきます。

【温泉】法師温泉再訪(★★★★★): ぽん太のみちくさ精神科(2013/2/7)

【温泉】秘湯ブームの先駆け、いまだ健在!法師温泉長寿館(★★★★★): ぽん太のみちくさ精神科(2016/3/6)

【温泉】コロナ禍を忘れられる秘湯!法師温泉長寿館再訪(群馬県みなかみ町)(★★★★★): ぽん太のみちくさ精神科(2021/9/27)

 今回は、おそらくこれまで泊まったことのない別館に宿泊。昭和15年築で、明治初期に造られた本館よりは新しいですが、ここも登録有形文化財に指定されております。時代がかった感じではなく、昭和初期の温泉建築の精緻さがあります。このブログは法師温泉長寿館の「別館」を中心に紹介します。

 

登録有形文化財に指定された昭和初期の別館

 建物は法師川に面しており、すべての客室から眺めることができます。

 別館の入り口には「抱翠閣」という扁額が掛かってます。2文字目は「羽」の下に「辛」みたいですが、そんな字はないので「翠」のくずし字かと思います。「みどりを抱く」。いい名前だと思いますが、現在はあまり使われず、単に「別館」と呼ばれることが多いようです。

 こちらは登録有形文化財の表示。例の緑色の文化庁が交付する標識ではなく、宿で作った案内板ですね。ちなみに文化庁の国指定文化財等データベースの長寿館別館はこちらです(→https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00005584)。

 別館の棟札が展示されてました。棟札とは、建築の記念・記録として屋根裏の棟木や梁などに取り付けられる札ですね。言ってみれば大工さんたちの署名みたいなものです。向かって左の札を見ると、新潟県南魚沼郡工務店が請け負ったようですね。

 廊下もちょっと軽めの昭和初期風。一枚板の床、建具や柱の木と、漆喰の白の対比が美しいです。

 こちらが客室です。冒頭の写真は、雪で覆われた外景が写っているため室内が暗くなっていますが、リフォームされて明るく清潔な室内です。

 「仰観山俯泉聴」という書が掛けてありました。白居易の『草堂記』のなかの言葉で、仰いでは山を眺め、うつむいては清流の音を聴く、といった意味でしょうか。白居易(772年〜846年)は地方に左遷される憂き目にあいましたが、廬山の近くに草堂を結び、そこで悠々自適の生活を楽しみました。鴨長明の『方丈記』(1212年)にも影響を与えたと言われています。

 山に抱かれ、川に臨む別館客室にぴったりの書ですね。

 浴槽の底から湧き出す名物の法師乃湯につかり、美味しい夕食をいただき、あとは寝るだけ。写真の上の奥の明かりが、別館です。

 高級旅館も悪くないけど、庶民のぽん太にはちょっと気疲れするところも。法師温泉での一泊はとてもくつろぐことができ、鄙びた和風旅館もいいなあと改めて思いました。

 

基本情報

【宿名】法師温泉 長寿館
【住所】群馬県利根郡みなかみ町永井650
【宿泊日】2023年1月中旬
【公式サイト】・http://www.hoshi-onsen.com/index.html
【泉質】[法師乃湯]カルシウム・ナトリウム硫酸塩温泉
       完全源泉掛け流し・足元自然湧出 加水(-)加温(-)循環(-)消毒(-)
    ※浴場により他の泉質の源泉、循環併用等あり。
【設備】シャワートイレ:部屋に有り、Wifi:忘れました、クレジットカード:不可