ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。以後お見知り置きをお願いいたします。

唐風の秋篠寺・十一面観音が出品「総合文化展」東京国立博物館(2023年10月)

 特別展「京都・南山城の仏像」のあと、総合文化展を観ました。いわゆる常設展ですが定期的に入れ替えがあり、重文もいっぱいあり、一部を除いて写真撮影もできるので、東博に行ったら必ず寄ることにしています。

 こんかいは秋篠寺の十一面観音が、唐風で面白かったです。

展覧会情報

【展覧会】総合文化展 (常設展)
【会場】東京国立博物館
【観覧日】2023年10月下旬

本館11室 彫刻

重文 毘沙門天立像 奈良・中川寺十輪院持仏堂伝来 平安時代・応保2年(1162)頃 川端龍子寄贈C-1869 (再見)

 どこかで見たお顔だな〜と思って調べてみたら、2018年の「仏像の姿」(三井記念美術館)でお目にかかっておりました。特別展で扱われている京都・南山城付近の奈良側に伝わった仏さまだそうです。下膨れのお顔は怖くなく、全体に穏やかで上品な平安後期の毘沙門天

地蔵菩薩坐像 鎌倉時代・13世紀 常盤山文庫蔵 (初見)

 鎌倉時代地蔵菩薩坐像。右足を崩して結跏趺坐で、すました表情。
 所蔵の常盤山文庫というのはぽん太は初めて聞いたのですが、実業家・菅原通濟(1894-1981)のコレクションが元になっているようです。独自での公開はしておらず、作品寄託先での公開や、貸出しを行なっているそうです(常盤山文庫公式サイト)。

日蓮上人坐像 室町時代・15〜16世紀 常盤山文庫蔵 (初見)


 室町時代日蓮上人の坐像です。袈裟と、右肩から掛けた布(黄被)の模様が細かく掘り出されてます。

慈恩大師坐像 平安時代・11〜12世紀 C-340 (初見)


 なんか平安後期の作にしては暑苦しい感じですね。中国、唐代の僧で、法相宗の開祖だそうです。


 この画像は国宝「絹本著色慈恩大師像」(薬師寺蔵)ですが、眉毛の両端がピンと跳ね上がったお顔や、膝の上で指を違い違いに組み合わせているところなど、そっくりですね。

不動明王立像 鎌倉時代・13世紀 個人像 (初見)

 鎌倉時代不動明王。お顔などの傷みが残念です。直立しており、あまり鎌倉らしい躍動感はありません。

重文 阿弥陀如来坐像 京都府船井郡京丹波町・長楽寺伝来 平安時代・久安3年(1147)  文化庁 (初見)

 解説によると、丹波有力者が息災や安産を祈願して作らせたものだそうです。表情や円文など、平安後期にしては硬い印象があります。

重文 阿弥陀如来坐像 平安時代・12世紀 長野・光明寺蔵 (再見)

 画像(撮影禁止です)
 平安後期の半丈六の阿弥陀如来像で、伊那谷光明寺の所蔵。総合文化展での定番です。

重文 阿弥陀如来坐像 平安時代・12世紀 奈良・法隆寺

 どんな像だか忘れました。

重文 十一面観音菩薩立像 平安時代・9世紀 奈良・秋篠寺蔵 (?)

 画像(撮影禁止です)
 平安時代9世紀の十一面観音。等身大。奈良の秋篠寺の所有ですが、東京国立博物館に寄託されているようです。面長の顔立ちや、衣類のしつこいくらいの装飾性など、異国風です。

菩薩立像 香川県大川郡丹生脇屋庵伝来 平安時代・10〜11世紀 C-1620 (?)

 平安時代10〜11世紀の菩薩立像。ほぼ等身大です。

重文 毘沙門天立像 平安時代・9世紀 和歌山・道成寺蔵 (初?)

 異形の仏像。毘沙門天と天邪鬼が、鼻が三角に尖った同じ顔をしてます。表情だけでなく、鎧や衣類の過剰な装飾も唐風です。

重文 文殊菩薩騎獅像および侍者立像 康円作 奈良・興福寺伝来 鎌倉時代・文永10年(1273) C-1854 (初見?)

 鎌倉時代の渡海文殊。運慶の孫とも伝えられる康円の作。


 渡海文殊といえば安倍文殊院の快慶作がなんといっても有名です(画像)。快慶の方が侍者の一人ひとりのキャラが立っていて、康円は全体におとなしく写実的な印象です。でも康円の善財童子(向かって右から2番目)は、快慶がちょっと入ってる感じがしますね。

 

本館1室 仏教の興隆-飛鳥・奈良

菩薩半跏像 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山出土 飛鳥時代・7世紀 北又留四郎氏他2名寄贈 E-14846 (再見)

 何回か見ている定番の像なので省略。

重文 日光菩薩坐像 京都・金輪寺、京都・高山寺旧蔵 奈良時代・8世紀 C-218 (初見?)

 奈良時代の乾漆造りの日光菩薩。面長で、半跏踏下坐で座っており、優美な印象の像。ところでなんでこの像が日光菩薩だとわかったのでしょうか? 

本館3室 仏教の美術-平安〜室町

重文 伝源頼朝坐像 鎌倉時代・13〜14世紀 C-1526 (たぶん初見)

 源頼朝像というと、甲斐善光寺の像(画像)がよく知られておりますが、こちらは重文。さすがに彫りや造形が見事です。甲斐善光寺の方は上着の裾がびよ〜んと広がってますが、こちらは袴が広がってます。どうしてそのような違いがあるのか、そして何かを広げないといけないのか、ぽん太にはわかりません。