特別展「京都・南山城の仏像」のあと、総合文化展を観ました。いわゆる常設展ですが定期的に入れ替えがあり、重文もいっぱいあり、一部を除いて写真撮影もできるので、東博に行ったら必ず寄ることにしています。
こんかいは秋篠寺の十一面観音が、唐風で面白かったです。
- 展覧会情報
- 本館11室 彫刻
- 重文 毘沙門天立像 奈良・中川寺十輪院持仏堂伝来 平安時代・応保2年(1162)頃 川端龍子寄贈C-1869 (再見)
- 地蔵菩薩坐像 鎌倉時代・13世紀 常盤山文庫蔵 (初見)
- 日蓮上人坐像 室町時代・15〜16世紀 常盤山文庫蔵 (初見)
- 慈恩大師坐像 平安時代・11〜12世紀 C-340 (初見)
- 不動明王立像 鎌倉時代・13世紀 個人像 (初見)
- 重文 阿弥陀如来坐像 京都府船井郡京丹波町・長楽寺伝来 平安時代・久安3年(1147) 文化庁 (初見)
- 重文 阿弥陀如来坐像 平安時代・12世紀 長野・光明寺蔵 (再見)
- 重文 阿弥陀如来坐像 平安時代・12世紀 奈良・法隆寺蔵
- 重文 十一面観音菩薩立像 平安時代・9世紀 奈良・秋篠寺蔵 (?)
- 菩薩立像 香川県大川郡丹生脇屋庵伝来 平安時代・10〜11世紀 C-1620 (?)
- 重文 毘沙門天立像 平安時代・9世紀 和歌山・道成寺蔵 (初?)
- 重文 文殊菩薩騎獅像および侍者立像 康円作 奈良・興福寺伝来 鎌倉時代・文永10年(1273) C-1854 (初見?)
- 本館1室 仏教の興隆-飛鳥・奈良
- 本館3室 仏教の美術-平安〜室町
展覧会情報
【展覧会】総合文化展 (常設展)
【会場】東京国立博物館
【観覧日】2023年10月下旬
本館11室 彫刻
重文 毘沙門天立像 奈良・中川寺十輪院持仏堂伝来 平安時代・応保2年(1162)頃 川端龍子寄贈C-1869 (再見)
どこかで見たお顔だな〜と思って調べてみたら、2018年の「仏像の姿」(三井記念美術館)でお目にかかっておりました。特別展で扱われている京都・南山城付近の奈良側に伝わった仏さまだそうです。下膨れのお顔は怖くなく、全体に穏やかで上品な平安後期の毘沙門天。
地蔵菩薩坐像 鎌倉時代・13世紀 常盤山文庫蔵 (初見)
鎌倉時代の地蔵菩薩坐像。右足を崩して結跏趺坐で、すました表情。
所蔵の常盤山文庫というのはぽん太は初めて聞いたのですが、実業家・菅原通濟(1894-1981)のコレクションが元になっているようです。独自での公開はしておらず、作品寄託先での公開や、貸出しを行なっているそうです(常盤山文庫公式サイト)。
日蓮上人坐像 室町時代・15〜16世紀 常盤山文庫蔵 (初見)
室町時代の日蓮上人の坐像です。袈裟と、右肩から掛けた布(黄被)の模様が細かく掘り出されてます。
慈恩大師坐像 平安時代・11〜12世紀 C-340 (初見)
なんか平安後期の作にしては暑苦しい感じですね。中国、唐代の僧で、法相宗の開祖だそうです。
この画像は国宝「絹本著色慈恩大師像」(薬師寺蔵)ですが、眉毛の両端がピンと跳ね上がったお顔や、膝の上で指を違い違いに組み合わせているところなど、そっくりですね。
不動明王立像 鎌倉時代・13世紀 個人像 (初見)
鎌倉時代の不動明王。お顔などの傷みが残念です。直立しており、あまり鎌倉らしい躍動感はありません。
重文 阿弥陀如来坐像 京都府船井郡京丹波町・長楽寺伝来 平安時代・久安3年(1147) 文化庁 (初見)
解説によると、丹波有力者が息災や安産を祈願して作らせたものだそうです。表情や円文など、平安後期にしては硬い印象があります。
重文 阿弥陀如来坐像 平安時代・12世紀 長野・光明寺蔵 (再見)
画像(撮影禁止です)
平安後期の半丈六の阿弥陀如来像で、伊那谷の光明寺の所蔵。総合文化展での定番です。
重文 阿弥陀如来坐像 平安時代・12世紀 奈良・法隆寺蔵
どんな像だか忘れました。
重文 十一面観音菩薩立像 平安時代・9世紀 奈良・秋篠寺蔵 (?)
画像(撮影禁止です)
平安時代9世紀の十一面観音。等身大。奈良の秋篠寺の所有ですが、東京国立博物館に寄託されているようです。面長の顔立ちや、衣類のしつこいくらいの装飾性など、異国風です。
菩薩立像 香川県大川郡丹生脇屋庵伝来 平安時代・10〜11世紀 C-1620 (?)
平安時代10〜11世紀の菩薩立像。ほぼ等身大です。
重文 毘沙門天立像 平安時代・9世紀 和歌山・道成寺蔵 (初?)
異形の仏像。毘沙門天と天邪鬼が、鼻が三角に尖った同じ顔をしてます。表情だけでなく、鎧や衣類の過剰な装飾も唐風です。
重文 文殊菩薩騎獅像および侍者立像 康円作 奈良・興福寺伝来 鎌倉時代・文永10年(1273) C-1854 (初見?)
渡海文殊といえば安倍文殊院の快慶作がなんといっても有名です(画像)。快慶の方が侍者の一人ひとりのキャラが立っていて、康円は全体におとなしく写実的な印象です。でも康円の善財童子(向かって右から2番目)は、快慶がちょっと入ってる感じがしますね。
本館1室 仏教の興隆-飛鳥・奈良
菩薩半跏像 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山出土 飛鳥時代・7世紀 北又留四郎氏他2名寄贈 E-14846 (再見)
何回か見ている定番の像なので省略。
重文 日光菩薩坐像 京都・金輪寺、京都・高山寺旧蔵 奈良時代・8世紀 C-218 (初見?)
奈良時代の乾漆造りの日光菩薩。面長で、半跏踏下坐で座っており、優美な印象の像。ところでなんでこの像が日光菩薩だとわかったのでしょうか?
本館3室 仏教の美術-平安〜室町
重文 伝源頼朝坐像 鎌倉時代・13〜14世紀 C-1526 (たぶん初見)
源頼朝像というと、甲斐善光寺の像(画像)がよく知られておりますが、こちらは重文。さすがに彫りや造形が見事です。甲斐善光寺の方は上着の裾がびよ〜んと広がってますが、こちらは袴が広がってます。どうしてそのような違いがあるのか、そして何かを広げないといけないのか、ぽん太にはわかりません。