お盆休みのさなか、勅使川原三郎の〈ランボー詩集 「地獄の季節」から「イリュミナシオン」へ〉を観に池袋まで行ってきました。
ぽん太の好きなバレエダンサー、アレクサンドル・リアブコが出演していたからです。
このブログには、ダンスにも詩にもド素人なぽん太の個人的感想が書かれています。
感想
リアブコは、ジョン・ノイマイヤー率いるハンブルク・バレエ団のベテランダンサー。王子様キャラというよりは性格俳優といった存在で、独特の表現が素晴らしく、『ニジンスキー』における何かが憑依したような鬼気迫る踊りが頭から離れません。
豆知識ですが、彼はキーウ生まれのウクライナ人です。
リアブコが勅使川原三郎とコラボしていることは知ってたのですが、これまで観に行く機会に恵まれませんでした。今回の公演は先日バレエを見に行った時にもらったチラシで知り、お盆休み中で予定がなかったので行ってみることにしました。
切符を取ったのが公演直前だったにもかかわらず、1階の真ん中くらいの良席を取ることができました。ラッキーだな〜と思いながら当日行ってみると、ホールの後ろ半分はほとんど空席でした。ダンス人口はまだまだ少ないんですねえ。
無料パンフレットが、素晴らしい写真や、勅使河原のドローイングが入っていて驚く。
勅使川原三郎の舞台は、ぽん太はかなり昔に1度だけ観たことがあるのですが、最後の方でダンサーたちが延々とその場ジョギングしていた記憶しかありません。調べてみると今を去ること14年前、2009年9月に新国立劇場中劇場で行われた〈鏡と音楽〉でした。その時のブログ記事を下にリンクしておきます。
【舞踏】勅使川原三郎の踊りと美術はすばらしかったが舞台全体としては?「鏡と音楽」: ぽん太のみちくさ精神科
今回の舞台、ダンス公演としては面白かったのですが、あいにく勅使河原の舞台を見るのが2回目だったので、どこがランボーなのかまでは分かりませんでした。舞台上の大きな衝立が半開きの詩集であることはわかったのですが😅。何度も観てる人は、いつもとココが違うな、ココがランボーっぽいな、とわかるんでしょうけど。
お目当てのリアブコはなかなかいい旋回系の動きをしてましたが、ハビエル・アラ・サウコとともにバックダンサー的な位置付けだったのが残念です。リアブコのソロもじっくり観てみたかったです。
近年リアブコが勅使川原とコラボを繰り返しているのなぜなんだろう。調べているうちに下の記事がみつかりました。
決められた振付を踊るという西洋のバレエとは異なり、感覚や感情・思考・音楽などに共振しながら自分自身の身体の動きを見出していくという勅使河原のメソッドに、はまったみたいですね(うまく言えませんが)。
でも上の動画の振り付けがあらかじめ決められたものっていうのも、信じられない感情移入能力と表現力だと思います。
リアブコも45歳、バレエダンサーとしてのキャリアもそろそろ終わりを迎えます。今後の方向性を模索しているのかもしれません。
公演情報
勅使川原三郎〈ランボー詩集 「地獄の季節」から「イリュミナシオン」へ〉
2023年8月13日
東京芸術劇場 プレイハウス
勅使川原三郎
佐東利穂子
アレクサンドル・リアブコ
ハビエル・アラ・サウコ
振付/演出/美術・照明・衣装デザイン/音楽構成:勅使川原三郎
アーティスティック・コラボレーター:佐東利穂子