ますます演技力を高め、英国ロイヤル風の優雅な踊りを身につけたオシポワ
英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演のもう一つの演目は「ロミオとジュリエット」。ぽん太とにゃん子はもちろんオシポワがジュリエットの日を選びました。
先日の「田園の出来事」ではホントの恋も知らぬまま女の盛りを過ぎてしまったマダムを見事に演じたオシポワでしたが、今回は、原作では14歳という設定のジュリエット。登場シーンの乳母とのキャピキャピから、ラストの墓場で命を絶つところまで、これまた圧巻の演技でした。
オシポワの「ロミジュリ」は前にも見たけど、さらに一段と演技力が高まった気がします。さらにいつのまにか英国ロイヤル風のどこにも力を入れてないようなフワリフワリとした踊りも身につけてました。
そういえばオシポワっていま何歳なんだろう。調べてみたら1986年5月生まれだから、37歳か。いつの間にか歳食ってるんですね。ボリショイの来日公演の「ドンキ」で最初のジャンプの大きさに驚いて、ぽん太が椅子からずれ落ちそうになったのが2008年だから、あれから15年経ってるんだもんね。いつまでも身体能力だけを売りにするわけにもいかないから、踊りの幅を広げてるんでしょうか。
マクミラン振付のラストはバルコニーシーンの再現か
今回マクミラン振付の「ロミジュリ」を見て、初めて気がついたことが。
ラストで短剣を自分の胸に突き立てたジュリエットは、なぜかエッチラオッチラと墓所の寝台の上に登り、そこから、床の上に倒れているロミオに手を伸ばして触れようとします。なんか不自然な気がしてたんですが、これってバルコニーシーンのラストで、バルコニーの上のジュリエットと地面にいるロミオが手を伸ばし合って触れあおうとするシーンの再現なんですね。
バルコニーでは、ロミオとジュリエットの手は触れ合えたんだっけ? よく覚えてません。ネット上の動画をあさってみたけど、暗くてよくわかりません。
次に英国ロイヤルの「ロミジュリ」を観るときは、気をつけて見たいと思います。
公演情報
英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演
「ロミオとジュリエット』
2023年6月30日
東京文化会館
・概要/英国ロイヤル・バレエ団/2023/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会
振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ(ブージー・アンド・ホークス音楽出版社)
美術・衣裳:ニコラス・ジョージアディス
照明:ジョン・B. リード
ステージング:クリストファー・サンダース
ジュリエット:ナターリヤ・オシポワ
ロミオ:リース・クラーク
マキューシオ:アクリ瑠嘉
ティボルト:ギャリー・エイヴィス
ベンヴォーリオ:ジョセフ・シセンズ
パリス:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロッド
キャピュレット公:クリストファー・サンダース
キャピュレット夫人:エリザベス・マクゴリアン
エスカラス(ヴェローナ大公):トーマス・モック
ロザライン:クリスティーナ・アレスティス
乳母:クリステン・マクナリ―
僧ロレンス:ベネット・ガートサイド
モンタギュー公:ベネット・ガートサイド
モンタギュー夫人:アネット・ブヴォリ
ジュリエットの友人:ミーシャ・ブラッドベリ、アシュリー・ディーン、ルティシア・ディアス、桂 千理、佐々木万璃子、シャーロット・トンキンソン
3人の娼婦:ナディア・ムローヴァ・バーレー、ジーナ・ストルム・イェンセン、ハンナ・グレネル
マンドリン・ダンス:チョン・ジュンヒョク、レオ・ディクソン、デヴィッド・ドネリー、 ベンジャミン・エラ、ハリソン・リー、中尾太亮
舞踏会の客、街人たち:英国ロイヤル・バレエ団
指揮者: クーン・ケッセルズ
オーケストラ: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団