ヌレエフの没後30年を記念した〈オペラ座ガラ〉-ヌレエフに捧ぐ-のAプロを観てきました。このブログはバレエ好きタヌキ爺ぽん太の個人的感想です。
- ヌレエフと踊ったことがあるフロランス・クレールが指導
- エイマンの「ダンス組曲」が傑出!ルグリの後継者か?
- すっきりと安定したポール・マルク、優雅なジェルマン・ルーヴェ
- オニール八菜とパク・セウンはちょっと緊張?
- 基本情報
ヌレエフと踊ったことがあるフロランス・クレールが指導
年くってからバレエファンになったぽん太は、残念ながら生前のヌレエフとの接点はなく、彼がパリ・オペラ座の芸術監督をしていた頃の公演を見たこともなければ、ましてや生で踊る姿を見たこともありません。Youtubeで見返してますが、ジャンプやピルエットのテクニックもさることながら、オーラというか、男から見ても色気を感じる独特の美しさがあるように思えます。
今回のガラは、ヌレエフと踊ったこともあるというフロランス・クレールの指導のもと、パリ・オペラ座のエトワルから若手まで、14人によるステージ。カテコで舞台に現れた彼女は、盛大な拍手を受けておりました。
彼女のインタビュー記事を下にリンクしておきます。
新国立の中劇場ぐらいのハコでやったらもっと雰囲気が出た気もしますが、採算上しかたがないか。
エイマンの「ダンス組曲」が傑出!ルグリの後継者か?
そのヌレエフの振り付けではないんですが、エイマンの踊った「ダンス組曲」が群を抜いて素晴らしかったです。これ観ただけで今日来たかいがあったというもの。
エイマンというとぽん太の印象では、目がクリクリして可愛らしい身体能力抜群のダンサーというイメージでしたが、ちょっと痩せて、渋くて深みのある大人の顔になってました。そして踊りもとっても表現力豊かで、さまざまなニュアンスが一つひとつの動きに宿り、言葉のように語りかけてくるのでした。
まるでルグリみたい。エイマンが彼の踊りを引き継ぐとは思ってもみませんでした。赤のジャージも、ルグリと同様に似合ってました😀。
舞台上の女性が弾くチェロに合わせて踊るのですが、単なる伴奏ではなく、まるでチェリストとのパ・ド・ドゥのような雰囲気。エイマンは時には彼女に微笑みかけ、アイコンタクトをとりながら彼女をリードしたり、彼女に合わせたりします。
何か別格の素晴らしいもの(野球で言えば大谷翔平、将棋でいえば藤井聡太のような)を観た思いで、ぽん太はとっても感動しました。
コロナの4年のあいだに、みんな成長してたんだね。ぽん太は衰えただけだけど。
それから、ルグリの「スーパー・バレエレッスン」で伝説のお⚪︎ぱい鷲づかみ事件を起こしたアクセル・イボくんに久々にお目にかかりました。う〜ん「スジェ」か。エトワル目指して頑張れ!
すっきりと安定したポール・マルク、優雅なジェルマン・ルーヴェ
男性ダンサーでは、ぽん太は「ライモンダ」を踊ったポール・マルクが気に入りました。たぶん観るのは初めてだと思います。動きに無駄がなく正確で、ジャンプも大きくピルエットも安定してます。頑張ってる感じがありません。表現力はどうなのかな? こんど全幕で観てみたいです。
踊りもルックスも王子様そのもののジェルマン・ルーヴェが「眠れる森の美女」の第3幕のパ・ド・ドゥを踊りました。
オニール八菜とパク・セウンはちょっと緊張?
対して女性陣は、ぽん太はちょっと満足できませんでした。オニール八菜の黒鳥は、テンポがちょっと遅めなこともあり、なんか元気というか張りがない感じで、黒鳥の妖艶さもいまいちでした。
また初めて観たパク・セウンも、動きが硬くて手足だけ動かしてる感じでした。美人でスタイルもよく、背も高くて花もあり、お姫様に最適に思えるので、今後に期待。
基本情報
〈オペラ座ガラ〉-ヌレエフに捧ぐ- Aプロ
2023年7月26日
東京文化会館
「眠れる森の美女」より"花のワルツ"
振付:フロランス・クレール
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
オニール八菜、マルク・モロー
イダ・ヴィキンコスキ、クレマンス・グロス、オーバーヌ・フィルベール、 アクセル・イボ、ダニエル・ストークス、アントニオ・コンフォルティ
「眠れる森の美女」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパに基づく)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
パク・セウン、ジェルマン・ルーヴェ
「オーニス」
振付:ジャック・ガルニエ
音楽:モーリス・パシェ
アントワーヌ・キルシェール、ダニエル・ストークス、アクセル・イボ
「ダンス組曲」
振付:ジェローム・ロビンズ
音楽:ヨハン・セバスティアン・バッハ
マチアス・エイマン
チェロ:福﨑茉莉子
「白鳥の湖」より第3幕のパ・ド・トロワ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
オニール八菜、マルク・モロー、アントニオ・コンフォルティ
「ライモンダ」より第3幕のグラン・パ
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパに基づく)
音楽:アレクサンドル・グラズノフ
パク・セウン、ポール・マルク
イダ・ヴィキンコスキ、クレマンス・グロス、オーバーヌ・フィルベール、ブルーエン・バティストーニ、
アントワーヌ・キルシェール、アクセル・イボ、ダニエル・ストークス、アントニオ・コンフォルティ