パリ・オペラ座バレエ団のトップスターを招いた〈ル・グラン・ガラ〉。4年ぶりの公演です。
日程の都合から、8月2日にマチネでAプロ、ソワレでBプロと、ダブルヘッダーで観たのですが、もう絶対やめた。疲れがたまってぼーっとしてくるし、あいだの時間をつぶすのも面倒だし。全幕もの二つならまだいいかもしれないけど、ガラ公演を2回だと、どれがどれだか頭の中がごっちゃになってしました。
ということで、こんかいは印象に残った点だけを書きたいと思います。
- 日本人ハーフのクララ・ムーセーニュが溌剌として可愛い
- 優美なボラック、ガニオの『ソナタ』
- フォーゲルって女性扱いが荒くない?
- ジルベールとマルシャンの繊細な『ル・バルク』
- アルビッソンの『白鳥の湖』グランアダージョ
- 終演後ソワレまでの間に神田きくかわで鰻をいただく
- 公演情報
日本人ハーフのクララ・ムーセーニュが溌剌として可愛い
『ドン・キホーテ』のキトリを踊ったクララ・ムーセーニュ。なんかニコニコしていて、日本人の子供体型。双眼鏡で顔を見ても日本人みたいです。でもフランスの名前だし……。
帰ってから確認すると、お母さんが日本人、お父さんがフランス人のハーフみたいですね。次々と最年少で昇進を重ねているそうで、バレエ界の藤井聡太か? 現在は19歳でスジェのようです。
元気一杯、溌剌としてキュートな踊り。テクニックもあるようです。ドゥブルを入れたグランフェッテの時だけ表情が真剣だったのが、また可愛いかったです。
今度はしっとりした踊りも観てみたいです。今後が楽しみですね。
優美なボラック、ガニオの『ソナタ』
哀愁に満ちたラフマニノフのチェロソナタ(Op.19)の生演奏に乗せて、ポラックとガニオが踊りました。しっとりとして優雅でとても美しいです。コロナを経て久々にパリ・オペラ座を観れた喜びを感じました。
フォーゲルって女性扱いが荒くない?
アルビッソンがフォーゲルと『オネーギン』の鏡のパ・ド・ドゥ。アルビッソンの感情表現が素晴らしい。フォーゲルは、なんかパリ・オペラ座と違ってしっとり感がありませんでした。劇中のオネーギンの性格とちょっと違う感じもしますが、タチアーナの幻想の中の姿だからこれでいいのか? ってか、フォーゲルって女性扱いが荒くないですか。腕力が強いせいのか、支えたりリフトしたりするとき、ぶんぶん振り回しているように見えるのですが、そう感じるのはぽん太だけでしょうか?
ジルベールとマルシャンの繊細な『ル・バルク』
ベテランのジルベールだからこその、全身の隅々にまで常に神経が行き届いた繊細な踊りを堪能できました。
アルビッソンの『白鳥の湖』グランアダージョ
この場面って、白鳥が人間の姿に戻って王子と踊る設定だと思うのですが、人間でもあり白鳥でもあるように感じました。べザールが後ろからアルビッソンの両腕を持ち上げる時、羽を持って広げているように見えました。何度も白鳥を捉えようとするが、手から逃れてしまう。男性に支えられて両手両足を広げて繰り返しジャンプするところも、羽ばたいて空に舞い上がったように思えました。
ぽん太も暑さと疲れでだんだん眠くなってきたので、幻影を見たのかもしれません。
終演後ソワレまでの間に神田きくかわで鰻をいただく
冒頭で書いたように、本日はマチネ・ソワレのダブルヘッダーだったので、終演後神田きくかわに鰻を食べに行きました。有名店と聞きますが、時間が午後4時だったせいかすいてました。ふっくらとして、ちょっと泥臭くて、レンゲの蜂蜜を使ったタレもしつこくなく、美味しかったです。
公演情報
ル・グラン・ガラ2023 Aプロ
2023年8月2日
東京文化会館
『海賊』
振付:マリウス・プティパ 音楽:アドルフ・アダン
『ソナタ』
振付:ウヴェ・ショルツ 音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
レオノール・ボラック マチュー・ガニオ
ピアノ:久山亮子 チェロ:水野優也
『オネーギン』より“鏡のパ・ド・ドゥ”
振付:ジョン・クランコ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アマンディーヌ・アルビッソン フリーデマン・フォーゲル
『カルメン』
振付:ローラン・プティ 音楽:ジョルジュ・ビゼー
リュドミラ・パリエロ オードリック・ベザール
『ル・パルク』
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ 音楽:ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト
ドロテ・ジルベール ユーゴ・マルシャン
『ドン・キホーテ』
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
クララ・ムーセーニュ ニコラ・ディ・ヴィコ
『白鳥の湖』より第 2 幕
振付:マリウス・プティパ 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アマンディーヌ・アルビッソン オードリック・ベザール
『3つのグノシエンヌ』
振付:ハンス・ファン・マーネン 音楽:エリック・サティ
レオノール・ボラック フリーデマン・フォーゲル
ピアノ:久山亮子
『ヴェニスの謝肉祭』
振付:マリウス・プティパ 音楽:チェーザレ・プーニ
ビアンカ・スクダモア トマ・ドキール
『ジュエルズ』より“ダイヤモンド”
振付:ジョージ・バランシン 音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
リュドミラ・パリエロ マチュー・ガニオ
『赤と黑』より寝室のパ・ド・ドゥ 〜ラコットへのオマージュ〜
振付:ピエール・ラコット 音楽:ジュール・マスネ
ドロテ・ジルベール ユーゴ・マルシャン