六善光寺ご開帳を巡るぽん太とにゃん子の旅、今回は長野県飯田市の元善光寺です。
ご本尊の阿弥陀三尊像は、長野市の善光寺の前立本尊より全体に細身で、両脇侍がちいさめでした。
言い伝えでは、長野の本家・善光寺よりも以前に位置付けられるお寺です。
長野の善光寺より前に善光寺如来を祀っていた元善光寺
アクセス
元善光寺は長野県飯田市にあり、車だと中央道の座光寺スマートインターチェンジから約6分、電車だと飯田線の飯田駅からバスまたはタクシーで10分です。
御縁起
現在長野市の善光寺の御本尊となっている阿弥陀如来像は、仏教伝来の頃に百済国から日本にもたらされました。しかし物部氏と蘇我氏の争いの中で、難波の堀に打ち捨てられました。
推古天皇の御代になり、信州麻績(おみ)の里(現在の飯田市座光寺)に暮らしていた本田善光(ほんだよしみつ)が都に上ったおり、難波で阿弥陀如来様に巡り合い、信州に連れ帰ってお祀りしました。石臼の上に安置したところ臼が光り輝いたため、このお堂は「座光寺」と呼ばれるようになりました。
数十年後、阿弥陀如来様自身のお告げにより、像は芋井の里に移されました。これが現在の長野市の善光寺です。善光は自ら霊木を元に阿弥陀如来像と同じお姿の像を彫り、これを座光寺の本尊としました。
芋井の里のお堂はやがて本田善光の名をとって善光寺と名付けられたため、座光寺も元善光寺と名を改めたそうです。
少し細身の元善光寺の御本尊
本堂
こちらが本堂です。回向柱が立ってますね。
御本尊一光阿弥陀如来像
本堂の中に入り、いざ御本尊様とご対面です。ちょっと遠いので、双眼鏡を持っていくことをお勧めします。
上の画像は、パンフレットに描かれた絵です。長野市の善光寺のお前立よりも全体に細長く、三尊が近くに寄り添ってます。両脇侍が小さく、中尊の半分くらいの高さです。胸の前で両手を重ねるポーズは同じですが、宝冠の形が円筒状じゃないですね。長野善光寺のお前立は銅造ですが、こちはら御縁起からすると木造なのでしょうか? 本田善光が自ら刻んだというのは言い伝えでしょうが、ありがたいお姿です。
戒壇巡り
善光寺のマストアイテム戒壇巡りももちろんあります。靴のまま入っていくことができます。
宝物殿にも様々な仏様がおります
宝物殿に入るには500円の料金がかかりますが、せっかくの機会なので入ることにしました。伝説の臼や、見事な釈迦涅槃像や薬師三尊がありますので、皆さんにも見学をお勧めいたします。
釈迦涅槃像
お釈迦様の入滅の姿を表すいわゆる寝釈迦ですね。ほぼ等身大で、なかなかのお姿です。木造とのことですが、お顔からデコルテにかけてがなぜか銅造のように見えます。
薬師三尊像
座っている中尊が高さ約1.5mくらいある、けっこう大きな像です。美しく装飾性ある像で、プリン型のお顔を拝見すると、室町時代ぐらいの気がしますが、さてどうでしょう? 光背に十二神将が配されているのがぽん太には珍しく、また向かって右の日光菩薩が手に水瓶を持っているのもあまり見ない気がします。
座光の臼
本田善光が持ち帰った阿弥陀如来像を安置したところ光り輝いたという例の臼が展示されております。言い伝えを信じるも信じないもあなた次第ですが、これはなかなか有難いお宝です。
本田善光・弥生・善祐像
ぽん太は本田善光とその妻弥生は知ってましたが、善祐ってだ〜れ? あとで調べてみると夫妻の子供とのこと。善祐がどのような人なのかは、ぐぐってみたけどあまりよくわかりません。
その他も仏様がおおぜい
その他、十王像や阿弥陀如来像、藤原時代の愛染明王など、多くの仏様が安置されております。また地獄絵もありますので、興味がある方はどうぞ。
西国三十三番巡りができる平和殿
新しい建物で、西国三十三番の札所の観音様が祀られており、足元に置かれたそれぞれの札所のお砂を踏みしめながら参拝することができる施設です。
基本情報
【拝観日】2022年5月下旬
【拝観】御開帳期間:2022年4月3日〜6月29日
料金:無料 宝物殿・平和殿は500円
【関連サイト】
・元善光寺公式サイト:https://motozenkoji.jp
・六善光寺同時御開帳公式サイト:https://gokaicho.net
【仏像】
本堂 御本尊一光三尊阿弥陀如来像
宝物殿 釈迦涅槃像、薬師三尊像、愛染明王像(藤原時代)、十王像、阿弥陀如来像、その他もろもろ