群馬県は赤城山の南面に位置する赤城温泉は、標高約900mの山麓に3軒の宿が寄り添うように建つ小さな温泉。歴史は古いですが観光地化されておらず、秘湯の雰囲気が漂います。
ぽん太とにゃん子は赤城温泉ホテルには泊まったことがあるので、こんかいは御宿総本家にお世話になりました。もひとつの湯之沢館にもそのうち泊まって、赤城温泉をコンプリートしたいと思ってます。
民芸というか古物というか、アジア・アフリカン系にしてポップ・アメリカン系、哲学的というかパワースポット系というか、館主独特の美意識に貫かれた宿です。また源泉の泉質は抜群。緑褐色の濁り湯が浴槽に見事な結晶模様を描き出してます。もちろん完全源泉掛け流し。お食事は地元の新鮮な食材が美味しいです。接客は素朴で暖か。
好き嫌いが分かれると思うので、ブログを読んで「この雰囲気がイイ」と感じた人におすすめデス。
赤城山南面の標高900mの歴史ある立地
赤城山南面のこのあたりはあまり観光化されておらず、深い樹林に囲まれています。しかし近くには赤城神社や滝沢不動尊などのパワースポットがあり、昔は重要な土地だったことが伺えます。
車で細い山道を登っていくと、どん詰まりに見えてくるのが御宿総本家の建物です。昭和レトロな雰囲気です。
手前は庭の造園中でしょうか。館主の作業場にもなっているようで、手前の黄色いギリシャ風円柱など、早速不思議なオブジェが目に入ります。
玄関周りにもいろいろな手作りの飾りがあります。アフリカっぽいお面がお出迎え。
ユニークなオブジェがあふれる館内
ロビーは雑多なオブジェで飾られてます。アジア風のお面や人形に、原色のガラスの器もあります。
色っぽいおねえさんがお出迎え。時々衣装や飾り付けが変わるみたいです。
かと思うと、仏像もあります。
オールジャンルの膨大な古書が、館内のいたるところに設置された棚に置かれております。
手作りの客室は新しくきれいです
こんかい泊めていただいたお部屋です。二間続きになっていて、広い縁側があります。畳も新しく、天井の梁も立派です。電灯には、和紙を使った手作りのランプシェードが付いてます。民芸調の客室ですが……壁に貼られたマティスとカンディンスキーのポスターが異質ですね。
こちらの襖や天袋には様々な色の四角い紙が貼られており、黒い柱や桟も併さって、モンドリアンの絵画のようです。
モンドリアンに興味が湧いた方は、下のリンクをどうぞ。
案内のお姉さんが「ほかにわからないことは?」と聞くので、「わからないことだらけなんですけど」と言ったら笑ってました。
お部屋のトイレは洋式ですがウォシュレットなし。館内にウォシュレット付きトイレもありますが、コロナ対策で使用が制限されている場合もあります。
泉質が見事な温泉
温泉は、露天と、男女別の内湯があります。
写真は内湯の入り口。どこかの口コミに「子供が泣いてしまって風呂に入れませんでした」と書いてありました😁。
現在コロナ対策のため、すべての風呂が30分毎の貸切になっています。写真のホワイトボードに名札を貼れば、何度でも入ることができます(入浴し終わったら次の予約を取る感じ)。
谷に臨む開放感ある露天風呂
一転してポップなビーチリゾート風の休憩所。脱衣所の一角にあります。
で、その脱衣所には、ガマガエル君が居住しておりました。偶然のなす見事なコントラストです。
で、露天風呂は和風で、立派な屋根があります。柱は伝統的な根継ぎ(→柱の根継ぎ|株式会社 WARMTH 坂口工務店)が施されてます。
浴槽はやや小さめですが、野趣あふれており、谷に臨んでいて見晴らしがいいです。洗い場はありません。
加水・加温・循環・消毒なしの完全源泉掛け流しがうれしいです。
浴槽は二つに分かれており、手前の浴槽に源泉が注がれ、奥の浴槽に流れていきます。写真でわかるように、手前の浴槽のお湯は透明ですが、奥の浴槽は緑褐色に濁ってます。時間と共に変化する生きた温泉です。
源泉の供給パイプらかは、泡が出てきます。温泉も鮮度が命!
温泉分析書・時間とともに濁っていく濃厚な源泉
温泉分析書です。源泉温度42.9度。この丁度いい奇跡の泉温が、加水・加温なしの源泉掛け流しを可能にしているわけですね。pH6.5と中性。知覚的試験を見てほしいのですが、湧出地における調査では「無色透明」となっており、試験室に持ち帰ってからの観察では「黄土色の沈澱を生じ、上澄は微黄色の濁りを呈する」となっております。時間とともに色が変化して濁っていくことが確かめられます。
泉質はカルシウム・マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩温泉で、全体に成分が濃いですね。炭酸水素イオン1448mg/lもなかなかの濃度です。
自然が作り出した芸術が見られる男湯
こちらが内湯の男湯(現在は貸切利用)ですね。ちょっと古びた感じで、植物が繁茂してます。大きな窓から外の景色が見れますが、ちとガラスが曇ってます。
床に注目! 結晶がすごいです。元々の浴槽の形がわかりません。
結晶がすごいです。これは天然の芸術や! 秋吉洞の百枚皿か、はてまたトルコのパムッカレか!
知らない人のために動画をアップしておきます。
こちらがパムッカレです。
女湯の結晶も見事
こちらが女湯。やや小さめですね。
もともとは混浴の大きな浴槽を、後から壁で二つに仕切ったように思われます。
こちらはブツブツ系の結晶の写真です。
地元の野菜が美味しいお料理
女将手作りの夕食
夕食はお食事どころでいただきます。原色のプラスチックの板が飛沫防止のために吊り下げられておりますが、もう驚きません。なんか合ってるような気がしてきました。
夕食です。エビも混じってたりしますが、地元の野菜を使った美味しい和食です。
朝食には源泉を使った温泉湯ど〜ふ
こちらが朝食ですね。一番奥は、源泉を使った温泉豆腐です。
どうですか? こりゃあ面白いと感じた人は、ぜひ泊まりましょう。なんじゃこりゃ?と感じた方は止めといた方がいいです。ぽん太はもちろん……とっても面白かったです。
基本情報
【旅館名】赤城温泉 御宿総本家
【住所】群馬県前橋市苗ヶ島町2034
【公式サイト】・https://souhonke.info
※ホームページの雰囲気と実際の印象はちょっと違うのでご注意を
【宿泊日】2022年7月中旬
【泉質】カルシウム・マグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩温泉(低張性中性温泉) ◎完全源泉掛け流し! 加水(-)、加温(-)、循環(-)、消毒(-)
【ウォシュレット】館内にありますが、コロナで使用制限されている場合もあるのでご確認を。
【Wi-Fi】あり
【宿泊料】2名1室、1人11,000円