岐阜県は下呂温泉と高山の間あたりにある湯屋温泉泉岳館。この旅館の特徴は、なんと言ってもシュワシュワの炭酸泉。温泉につかり、飲泉所で味わい、そしてお食事でも楽しむことができます。日本秘湯を守る会と日本源泉湯宿を守る会の会員宿。一度お試しあれ。
静かな湯屋温泉と、和モダンな宿の外観
善光寺東海別院で六善光寺同時御開帳コンプリートを果たしたぽん太は、その日の宿、岐阜県の湯屋温泉泉岳館に向かいました。愛知から岐阜だから大して遠くないだろうと思ったら、カーナビが示したルートは高山経由の180kmで所要時間3時間弱。
なにそれ。
岐阜県の大きさというか、山深さというか、前人未到さを思い知りました。
ようやくたどり着いた湯谷温泉は、大洞川の谷筋にある小さな温泉街。宿は3軒しかありません。開湯は室町時代の中期だそうです。
泉岳館の外観は、もともとあった建物に上手に外装を付け加え、品格ある和モダンな雰囲気になっております。
内装も同様に、美しくリニューアルされております。
宿の向かいにある冨士神社の社殿はなかなか立派です。江戸後期の1821年の造営だそうです。今は静かな湯谷温泉ですが、昔は栄えていたのでしょうか。
客室はロッジ風の和洋室
こちらが客室です。新しく改装されてますね。白木を使ってちょっとロッジ風。ベッドなので従業員が布団を敷きに入ることもなく、コロナ対策としても万全です。
お着き菓子は、温泉まんじゅうを固形燃料コンロで蒸していただきます。軽く栄養補給して、いざ温泉に出発。
温泉はシュワシュワ炭酸泉の源泉掛け流し
自然に囲まれた貸切露天風呂
まずは貸切露天風呂へ。あまり広くはありませんが、清流に望み、自然が豊かです。1回30分以内で無料で利用できます。チェックインの際に1回分予約しますが、あとは空いていれば何度でも自由に入れます。
湯船の中の臼のようなところから冷たい源泉が湧き出ており、舐めると炭酸水のようにシュワシュワです。新鮮な源泉は無色透明ですね。味は鉄味と苦味が感じられましたが、お食事のときはそんなに気にならなかったので、シュワシュワ感による錯覚かもしれません。
泉温が低いので加温はしてますが、加水・循環・消毒なしの源泉掛け流し。日本源泉湯宿を守る会の認定浴槽の札が表示されております
奥の下の方にある加温機(ヒーターみたいなもの?)でゆっくりと加温されており、そこからボコボコと泡が上がってきます。湯船に溜まったお湯は、白っぽく薄茶っぽいやや濁りで、浴槽には鉄っぽい茶色い結晶が析出しております。
湯治の雰囲気がある内湯
男性用の内湯です。
こちらの浴槽は湯治っぽい雰囲気がいいですね。長い年月を経て茶色い結晶が厚く付着した浴槽が素晴らしいです。上の段が38度、下の段が42度に設定されています。加熱器による加温で、もちろん源泉掛け流し。
上の浴槽に入っていると、肌に泡が付着してきます。下の段や、先ほどの露天ではあまり付着しないようで、温度を上げると炭酸が逃げていってしまうのかもしれません。
ぬるい方にゆっくり浸かっていると、体がぽかぽか温まってきてゆったりできます。
温泉分析書によると1203.8mg/kgの遊離二酸化炭素
温泉分析書です。
泉温12.2度。pH5.7の弱酸性ですね。上でぽん太は苦味や鉄味を感じたと書きましたが、試験室における知覚的試験では炭酸味とだけ書いてあります。やっぱりぽん太の舌の錯覚のようです。
溶存ガス成分では、遊離二酸化炭素が1203.8mg/kgとなかなかの量です。これがシュワシュワの秘密ですね。
泉質は「単純二酸化炭素冷鉱泉」となっておりますが、写ってない左側の部分には「二酸化炭素-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉」と書いてあります。ぽん太が成分を見てみるに、後者が正しいように思えます。
飲泉所で炭酸泉の持ち帰りもできます
飲泉所もあり、ペットボトルなどに入れて持ち帰ることもできます。上には薬師如来が祀ってあります。
炭酸泉を利用したお料理
夕食は飛騨牛の炭酸泉しゃぶしゃぶと岩魚のお刺身
夕食はお食事どころでいただきます。彩も鮮やかで美味しそうです。左側には岩魚のお刺身。
飛騨牛でーす。炭酸泉でしゃぶしゃぶにして頂きます。お湯がグツグツ沸騰してきたので肉を入れたのですが、ちっとも色が変化しません。あれ? 指を入れてみたら冷たいです。
加熱によって溶け込んでいた炭酸がブクブク出ただけだったようです。ぽん太は生まれて初めての体験でした。
天ぷらや茶碗蒸しなどもつきます。お蕎麦も美味しゅうございました。
朝食は温泉粥やとろとろ温泉豆腐
朝食です。胃に優しい温泉粥がありがたいです。右上のコンロは温泉水の湯豆腐ですが、豆腐が溶けてトロトロになります。
飛騨の定番、朴葉焼きも美味しゅうございました。
お支払いが現金とPayPayだけなのでご注意を
お支払いが現金とPayPayのみで、クレジットカードが使えないのでご注意を。最近の特に若い人は現金をあんまり持ち歩かないと思うので、無銭宿泊にならないように気をつけてください。
ぽん太はPayPay(限度額が2万円でした)と持ち合わせの現金を合わせて何とか支払うことができました。
基本情報
【旅館名】泉岳舘
【温泉名】湯屋温泉
【公式サイト】・http://www.sengakukan.co.jp
【宿泊日】2022年5月下旬
【泉質】二酸化炭素-ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉(低張性弱酸性高冷鉱泉)
加水(-)、加温(+)、循環(-)、消毒(-)
【宿泊料】プラン:当館いち推し⭐︎自家源泉絶品飛騨牛しゃぶしゃぶ。
和畳和ベット14畳。2名1室、1人19,800円。