ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。以後お見知り置きをお願いいたします。

【仏像】美江寺(岐阜市)の重文十一面観音に思いを馳せる

 岐阜善光寺を訪れた後、車ですぐ近くの美江寺(みえじ)に立ち寄りました。

 岐阜市役所の真前という中心街にあり、建物が朱色というよりはピンクといった感じのファンキーなお寺ですが、奈良時代の乾漆十一面観音(国重文)という渋いお宝を蔵しております。だだし公開は年一回、4月18日のみです。

本堂を覗くと十一面観音立像が!

 本堂の中を覗き込むと、奥の方に十一面観音さまが! ひっとしてこれがあの重文の!? 目を凝らしてよく見ると、なんか違うみたい。

 美江寺には平安後期の木造十一面観音もあるはずですが(木造十一面観音立像 文化遺産オンライン)、比べてみると水瓶を持つ左手の人差し指の形が違います。でもお鼻の疵(きず)は同じだし……。迷惑を顧みず電話してお伺いしたところ、平安後期のもので間違いないそうです。指の形とかは修復時に変わることもありますからね。 

秘仏の乾漆十一面観音立像を見たいにゃ〜

 こちらがその乾漆十一面観音さま。すばらしいですね。 表情といい、ポーズといい、衣類や装飾品の表現といい、見とれるばかりです。

 公開は年1回4月18日のみ。縁があったらぜひお目にかかりたいです。

木造菩薩坐像

 十一面観音の向かって左には、なにやら坐像が。装飾や天衣がなくって如来っぽいですが、髻(もとどり)を結い上げ、条帛(じょうはく:タスキみたいな布)を掛けてますから菩薩さまですかね。こちら(木造菩薩坐像 文化遺産オンライン)と見比べてみると、市指定の平安後期の木造菩薩坐像に間違いなさそうです。お顔がぷっくりして優雅ですね。

地蔵菩薩

 向かって右は地蔵菩薩かなぁ? よく見えません。手前のスピーカーがファンキーです。

丈六阿弥陀如来坐像

 本堂の向かって左には阿弥陀堂があり、その中には丈六の堂々とした阿弥陀如来坐像があります。案内板には木食正禅作と書かれています。

 木食正禅養阿(もくじきしょうぜんようあ)は、江戸時代中期の僧で、高野山で木の実や草だけを食べる木食行を修めました。京都の狸谷山不動院を創建し、真如堂阿弥陀如来露仏を造立したほか、寄附を募ってさまざまな土木工事を行なったそうです。

 ぽん太の印象では、この阿弥陀如来が木食正禅「作」というのは言い過ぎで、「造立」ぐらいの感じではないかと思います。

基本情報

【寺院】美江寺観音(みえじかんのん) (大日山観昌院美江寺) 天台宗

【住所】岐阜県岐阜市美江寺町2-3

【拝観日】2022年5月下旬

【拝観】拝観料:無料

    ご本尊の乾漆十一面観音立像(重文)は毎年4月18日のみ公開。

【関連サイト】

 ・美江寺観音公式サイト http://mieji.jp

【仏像】□市指定

□木造十一面観音立像 ヒノキ材 寄木造 像高180.7cm 平安後期

□木造菩薩坐像 カヤ材 割剥 像高78.3cm 平安後期 

 地蔵菩薩立像

 阿弥陀如来坐像 丈六 江戸時代

【六善光寺同時御開帳】岐阜善光寺は時間が合わずに拝観できず

 六善光寺同時御開帳の五つ目は、岐阜善光寺岐阜市内にあります。

 ただ御開帳期間でも、善光寺如来を拝観できる時間は9:00、11:00、13:00に限られますのでご注意ください。

 ちょっとこじんまりとした建物ですね。1891年の濃尾地震で本堂が全焼し、現在の本堂は1912年の再建だそうです。

 御開帳のリーフレットが、なんか演劇のチラシみたいで素敵です。

 

善光寺如来は見れず

 拝観料は無料です♪

 ところあ本堂に入ってみると、あれれ、ご本尊の前に黄色い紗幕がかかってます。あの〜見えないんですけど。

 なんと内陣参拝の時間が1日3回決まっていて、その時じゃないと拝観できないとのこと。残念ながら日程の関係で次の参拝時間まで待てなかったので諦めることにして、うっすらと見えるお姿に向かって手を合わせました。

岐阜善光寺が作られたのは武田氏が信長によって滅ぼされたから

 長野市善光寺のご本尊・善光寺如来は、戦国時代の支配者が次々と入れ替わる中、各地を転々としました。善光寺 → 武田氏 → 織田氏徳川家康豊臣秀吉善光寺 といった具合に、約40年間各地を彷徨っていたことになります。

 岐阜善光寺について | 岐阜善光寺 : 岐阜善光寺善光寺 (岐阜市) - Wikipedia(詳しいけどソースなし)によれば、1582年の甲州征伐によって武田氏を滅ぼした織田信長は、甲斐善光寺に祀られていた善光寺如来を岐阜に持ち帰り、伊奈波神社の近くに祀りました。信長はその年に本能寺の変で亡くなったため、信長の次男の織田信雄(おだのぶかつ)が尾張国甚目寺(じもくじ)に移しました(甚目寺の公式サイトやWikipediaには記載なし)。善光寺如来はその後、家康・秀吉の手を経て長野市善光寺に戻っていくわけですが、いつごろかははっきりしませんが信長の孫の織田秀頼が、かつて善光寺如来が祀られていた場所に伊奈波善光寺堂を建立して善光寺如来の分身を祀ったのが、岐阜善光寺の始まりとされているようです。

藤原時代の木造釈迦如来坐像

 ほかに平安後期の釈迦如来坐像がありました。写真はたとえば祇是未在 – ソゾタケ仏像紀行というブログのこちらにあります。

 平成16年に行われた解体修理で、当時の姿を取り戻したそうです。岐阜市指定文化財

 ふくよかで雅やかな定朝様の仏さま。上半身に比べ、下半身はやや小さめです。

 本堂にはそのほか本多善光・弥生・善佑の像も祀られております。 

隣には伊奈波(いなば)神社

 隣の伊奈波神社して帰りました。凛とした雰囲気の漂う大きな神社で、次々と参拝客が訪れておりました。公式サイトはこちら(→https://www.inabasan.com)です。

基本データ

【寺院】岐阜善光寺、伊奈波善光寺 (愛護山善光寺安乗院) 真言宗醍醐派

【住所】岐阜県岐阜市伊奈波通1丁目8

【拝観日】2022年5月下旬

【拝観】御開帳期間:2022年4月3日〜6月29日

    9:00, 11:00, 13:00の内陣参拝以外は善光寺如来の拝観はできません。

    拝観料:無料

【関連サイト】  

岐阜善光寺公式サイト

六善光寺同時御開帳公式サイト 

【仏像】

 善光寺如来(見れず)

 釈迦如来坐像 平安後期 市指定

 本多善光・弥生・全佑像

【六善光寺御開帳】関善光寺の善光寺如来は小さめだけど、阿弥陀如来の大仏もあるよ。

 6年に1度の六善光寺御開帳、次は岐阜県関市にある関善光寺です。善光寺如来は小さめですが、丈六の阿弥陀三尊像などもあり、お参りする価値ありです。

本堂(善光寺如来堂)

 車で行く場合、東海北陸自動車道の関インターからも美濃インターからも10分程度。

 まずは回向柱に触れてお祈りを捧げてから、本堂(善光寺如来堂)に入って善光寺如来さまのご参拝です。拝観は無料です。

善光寺如来は小さいです

 写真は見つからなかったのですが、動画がありました。そのうちリンク切れになるかも。

 けっこう近くで拝観できるのですが、なんせ仏さまがちっちゃいです。六善光寺のなかでは最小か。中尊が十数センチしかない感じ。双眼鏡を使っても細部までは見えません。関善光寺公式サイトによると、赤栴檀(あかせんだん)という香木で作られているそうです。ちなみに長野市善光寺の前立本尊は金銅ですね。

戒壇巡りは日本で唯一の卍字型

 戒壇めぐりは有料だったので「4ヶ所目だしもういいかな」という感じで省略したのですが、入っておけばよかったです。日本で唯一の卍字型戒壇巡りで、全長48メートルもあるんだそうです。

寛政10年の回向柱

 本堂の中に、別の小さめの回向柱がありました。ちょっと古びていて「寛政」という文字が読めます。案内係の方が由来を説明して下さいました。

 寛政10年(1798)に長野市善光寺の出開帳(でがいちょう、御本尊を運んできて公開すること)がこのお寺で行われたのですが、その時使われた回向柱だそうです。

 ありがたい善光寺如来さまは大評判を呼び、大いに賑わったこそうです。これが縁になって東京の上野輪王寺の公澄親王の御念持仏(個人的な礼拝のための仏像)だった善光寺如来を賜ることになったため、本山の善光寺を模した本堂を建立し、ご本尊として祀ることになったんだそうです。

大仏殿(摂取殿・旧本堂)

 大仏殿は、現本堂(善光寺如来堂)ができるまで本堂だった建物です。

丈六の阿弥陀三尊像

 善光寺如来を祀る以前の本尊だった、丈六の木造阿弥陀三尊像があります。丈六(じょうろく)というのは仏像の高さの標準の一つで、立った時に一丈六尺(約4.85m)あるもので、座った時は半分の八尺(約2.42m)となります。中央の阿弥陀如来さまの高さですね。見上げるような大きさです。

 なんだかちょっと普通っぽいお顔。案内板にはざっくり約500年前の作と書かれておりましたから室町時代後期でしょうか、そんな感じです。

 案内板や公式サイトによると、元々は岩手県の平泉中尊寺にあったものを、千葉県の泉倉寺を経て、1753年にこの寺に受け継がれたのだそうです。

 胎内仏として行基作と言われる宝冠阿弥陀如来があるんだそうですが、どこかに安置されていたのでしょうか、見逃しました。

創建に関わる新屋新太郎利忠像

 なんかプラモのように彩色されておりますが、「新屋新太郎利忠像」とのこと。 

 「誰それ?」という感じですが、私財を惜しみなく寄進して上の丈六阿弥陀三尊を貰い受け、本堂(現大仏殿)を建立した立役者がこの人です。

角大師で有名な元三大師像

 なぜにお供えがワイン?

 元三大師は慈恵大師とも呼ばれ、平安時代天台宗の僧で、比叡山中興の祖とも称されます。後には「角大師」の護符とともに厄除け信仰と結び付けられました。この辺りについては、ぽん太の過去の記事を参照してください。

 ・【仏像】深大寺の鬼大師205年ぶり特別公開: ぽん太のみちくさ精神科(2021.11.16)

大日堂

 こちらの八角形のお堂は「大日堂」。平成8年の落慶だそうです。

中国(明〜清)の大日如来

 なんか現代っぽい表情。両手で結ぶ印相も、大日如来の通例の智拳印や定印ではなく、ぽん太が見たことないものです。こりゃ明治以降の新しい作かな〜と思ったら、案内板によると、中国の明〜清の時代に作られたものだそうです。

その他にも様々な仏像があります

意外に味のある如意輪観音石仏

 こちらは、境内の一角にある岩壁の洞窟前に安置された如意輪観音の石仏。いわれはわかりませんが、なんか味があってぽん太は好きです。「寄進者◯◯工業◯◯」という張り紙がありますが、そんなに新しいものとも思えません。

十王堂の地獄関係者たち

 十王堂にいらっしゃる閻魔さまその他地獄関係者の皆さま。

行者堂の役小角

 境内の一角の岩盤を背にして、定型的なお姿の役小角の石像があり、手前のお堂を通して拝めるようになっております。

 ん?手前にある小さな仏像は何でしょうか? 折れた腕が足の上に乗っけてある? 怖い顔をして ますから不動明王でしょうか? よくわかりません。

にこやかな弘法大師さま

 にこやかに笑っておられます。

基本データ

【寺院】関善光寺(妙祐山宗休寺:みょうゆうざんそうきゅうじ) 天台宗安楽律法流

【住所】岐阜県関市西日吉町35

【拝観日】2022年5月下旬

【拝観】御開帳期間:2022年4月3日〜6月29日

    拝観料:無料 戒壇巡り:300円

【関連サイト】

 ・関善光寺公式サイト:https://www.seki-zenkoji.jp

 ・六善光寺同時御開帳公式サイト:https://gokaicho.net

【仏像】 

本堂

 善光寺如来 木造

大仏殿

 阿弥陀三尊像 木造

 新屋新太郎利忠像

 元三大師像

大日堂

 宝冠大日如来 金銅 明〜清

その他

 如意輪観音石像(屋外)

 十王像など(十王堂)

 弘法大師像(弘法堂)

 役行者石像(行者堂)

【宿】岡専旅館は美濃の歴史を味わえる隠れた名旅館

 「うだつの上がる町並み」として保存地区に指定されている岐阜県美濃町。そんななかにある老舗旅館、岡専旅館に泊まってきました。宿のホームページもなければ予約サイトにも登録されておらず、直接電話をして予約するしかありませんが、泊まる価値はあります!

町並み保存地区の美濃町にあります。

 「美濃町」とは岐阜県美濃市にある町並み保存地区の名称で、美濃町という「町名」は現在はありません。

 美濃町の原型は江戸初期に金森長近によって築かれました。その後尾張藩領になりましたが、美濃和紙の生産や長良川の物流の拠点として、おおいに発展しました。

 通りには江戸時代中期にまでさかのぼる歴史ある建物が立ち並び、防火壁の役目をする「うだつ」で有名です。

 岡専旅館は、そんな保存地区の一角にあります。「古い建物の旅館マニア」のなかでは知られた存在ですが、ホームページがなく、各社の予約サイトにもまったく登録されていないため、電話で予約をするしかありません。

 なんか偏屈な人が出たらやだなと思いながら電話してみましたが、とっても優しそうな奥様が電話に出て、気持ちよく予約を取ることができました。みなさんも心配せずに電話をしましょう。

歴史ある美しい建物にため息が出ます。

 言うまでもなく、立派なうだつが上がってます。

 玄関を入ると帳場らしいたたずまい。電話口に出た女将と言うか、奥さまが出迎えてくれます。

 奥へと進んでいきます。しっかり打ち水がしてあって、涼しげな暖簾がかかっています。タイルの壁もレトロな雰囲気ですね。

 暖簾をくぐると、奥が深いです。はるか彼方まで続いています。京都の町屋のように、間口が狭く奥が深い区割りになっています。

 右手が本日泊まる建物です。今日の宿泊客はぽん太とにゃん子だけ。貸切状態です。

 部屋の前の縁側部分です。

 こちらが今回泊まった部屋です。立派な床の間ですね。また古い建物なのに、構造に歪みが出てないのがすごいです。右手に写っているテレビはブラウン管で、100円入れると2時間見れるという昔懐かしいシステム。若い諸君は知らんでしょうな。懐かしがる人が多いので、あえてそのままにしているとのこと。畳はコロナ関連の助成金で新しくしたそうで、新鮮ないぐさの香りがします。

 ガラス戸で囲まれた空間は、まるで現代建築のよう。昔の日本人のデザイン感覚は素晴らしいですね。

 そして、窓の桟と風鈴が生み出す繊細な造形……。ため息が出ます。

 円形の窓から入る光を計算し尽くした光と影の演出です。

 階段の角度にご注目。非常階段ではなく、普通の階段です。

 2階の窓からは、幾重にも重なった瓦屋根が見えます。手前は当館の土蔵で、その向こうは隣家です。

 2階のお部屋は手入れがされてないようです。歴史が感じられますね。

 こちらの建物はちょっと軽い感じ。ひさしもポリカの波板になってます。そのうち銅板葺かなんかにして欲しいです。

 こちらは商人宿のように使われていた部分らしく、ちょっと造作が簡略で、痛みやくるいもやや目立ちます。

 きれいに整えられたお庭は、水盤に花を浮かべてのおもてなし。維持管理だけでも大変でしょうね。

 敷地の一番奥は、ちょっとした畑になっています。

 そのどん詰まりにはトトロの世界への入り口が……。というのは嘘で、祠がありました。

夕食は近くの居酒屋・胡麻やで

 夕食は、近くにある「胡麻や」に出かけました。徒歩数分。古い街並みの一角にあり、雰囲気ある居酒屋です。公式サイトはこちらです(→http://www.gomaya2012.com/mino.html)。

 美味しそうなおつまみや、さまざまな日本酒がそろっています。写真は稚鮎の天ぷら。量が多いですね。鮎のいい香りがします。でも、数日後の6月1日が今年の鮎の解禁日。よく考えて旅行の日程を組めばよかったです。

 夜の岡専旅館。こちらは土蔵ですね。外装はきれいに改装されています。

岡専旅館の夜景と銅製の風呂

 こちらはもう一つの蔵で、「塩蔵」です。岡専旅館は、旅館業を始める前は塩問屋だったそうです。

 お風呂は銅製です。ぺなぺなの薄板ではなく、しっかり厚みのある銅板が使われています。

美味しい朝食です。

 朝食です。この辺りはだし巻き卵の甘い派としょっぱい派の境目だと思いますが、ここは甘い派でした。お味噌汁は岐阜というと飛騨の赤出しが頭に浮かびますが、普通のお味噌汁。「飛騨」圏よりも「名古屋」圏に近いのかしら? 美味しい和食でした。

お殿様が入った浴室

 帰り際に奥様に話を聞いていたら、お殿様用の風呂場があると聞いて、見学させていただきました。ちょっと裏手になるので、案内していただく必要があります。外装はきれいに補修されています。

 こちら浴槽ですね。写真では黒く潰れてしまってますが、タガがあるでっかい桶のような構造でした。

美濃橋は重要文化財の近代吊橋

 帰りがけに近くにある美濃橋を見学。大正時代に作られたもので、現存する国内最古の近代吊橋として、国の重要文化財に指定されているそうです。

基本情報

【旅館名】岡専旅館

【住所】岐阜県美濃市魚屋町2190番地1

【公式サイト】なし

【宿泊日】2022年5月下旬

 【宿泊料】正確に覚えてませんが、1泊朝食のみ付きで11,000円台(2名1室、1人分料金)だったと思います。

【六善光寺御開帳】長野の善光寺より以前に位置付けられる元善光寺(長野県飯田市)

 六善光寺ご開帳を巡るぽん太とにゃん子の旅、今回は長野県飯田市元善光寺です。

 ご本尊の阿弥陀三尊像は、長野市善光寺の前立本尊より全体に細身で、両脇侍がちいさめでした。

 言い伝えでは、長野の本家・善光寺よりも以前に位置付けられるお寺です。

長野の善光寺より前に善光寺如来を祀っていた元善光寺

アクセス

 元善光寺は長野県飯田市にあり、車だと中央道の座光寺スマートインターチェンジから約6分、電車だと飯田線飯田駅からバスまたはタクシーで10分です。

御縁起

 現在長野市善光寺の御本尊となっている阿弥陀如来像は、仏教伝来の頃に百済国から日本にもたらされました。しかし物部氏蘇我氏の争いの中で、難波の堀に打ち捨てられました。

 推古天皇の御代になり、信州麻績(おみ)の里(現在の飯田市座光寺)に暮らしていた本田善光(ほんだよしみつ)が都に上ったおり、難波で阿弥陀如来様に巡り合い、信州に連れ帰ってお祀りしました。石臼の上に安置したところ臼が光り輝いたため、このお堂は「座光寺」と呼ばれるようになりました。

 数十年後、阿弥陀如来様自身のお告げにより、像は芋井の里に移されました。これが現在の長野市善光寺です。善光は自ら霊木を元に阿弥陀如来像と同じお姿の像を彫り、これを座光寺の本尊としました。

 芋井の里のお堂はやがて本田善光の名をとって善光寺と名付けられたため、座光寺元善光寺と名を改めたそうです。

少し細身の元善光寺の御本尊

本堂

 こちらが本堂です。回向柱が立ってますね。

御本尊一光阿弥陀如来

 本堂の中に入り、いざ御本尊様とご対面です。ちょっと遠いので、双眼鏡を持っていくことをお勧めします。

 上の画像は、パンフレットに描かれた絵です。長野市善光寺のお前立よりも全体に細長く、三尊が近くに寄り添ってます。両脇侍が小さく、中尊の半分くらいの高さです。胸の前で両手を重ねるポーズは同じですが、宝冠の形が円筒状じゃないですね。長野善光寺のお前立は銅造ですが、こちはら御縁起からすると木造なのでしょうか? 本田善光が自ら刻んだというのは言い伝えでしょうが、ありがたいお姿です。

戒壇巡り

 善光寺のマストアイテム戒壇巡りももちろんあります。靴のまま入っていくことができます。

 

宝物殿にも様々な仏様がおります

 宝物殿に入るには500円の料金がかかりますが、せっかくの機会なので入ることにしました。伝説の臼や、見事な釈迦涅槃像や薬師三尊がありますので、皆さんにも見学をお勧めいたします。

釈迦涅槃像

 お釈迦様の入滅の姿を表すいわゆる寝釈迦ですね。ほぼ等身大で、なかなかのお姿です。木造とのことですが、お顔からデコルテにかけてがなぜか銅造のように見えます。

薬師三尊像

 座っている中尊が高さ約1.5mくらいある、けっこう大きな像です。美しく装飾性ある像で、プリン型のお顔を拝見すると、室町時代ぐらいの気がしますが、さてどうでしょう? 光背に十二神将が配されているのがぽん太には珍しく、また向かって右の日光菩薩が手に水瓶を持っているのもあまり見ない気がします。

座光の臼

 本田善光が持ち帰った阿弥陀如来像を安置したところ光り輝いたという例の臼が展示されております。言い伝えを信じるも信じないもあなた次第ですが、これはなかなか有難いお宝です。

本田善光・弥生・善祐像

 ぽん太は本田善光とその妻弥生は知ってましたが、善祐ってだ〜れ? あとで調べてみると夫妻の子供とのこと。善祐がどのような人なのかは、ぐぐってみたけどあまりよくわかりません。

その他も仏様がおおぜい

 その他、十王像や阿弥陀如来像、藤原時代の愛染明王など、多くの仏様が安置されております。また地獄絵もありますので、興味がある方はどうぞ。

 

西国三十三番巡りができる平和殿

 新しい建物で、西国三十三番の札所の観音様が祀られており、足元に置かれたそれぞれの札所のお砂を踏みしめながら参拝することができる施設です。

基本情報

 【寺院】定額山 元善光寺  天台宗

【住所】長野県飯田市座光寺2638

【拝観日】2022年5月下旬

【拝観】御開帳期間:2022年4月3日〜6月29日

 料金:無料 宝物殿・平和殿は500円

【関連サイト】

 ・元善光寺公式サイト:https://motozenkoji.jp

 ・六善光寺同時御開帳公式サイト:https://gokaicho.net

【仏像】

本堂 御本尊一光三尊阿弥陀如来

宝物殿 釈迦涅槃像、薬師三尊像、愛染明王像(藤原時代)、十王像、阿弥陀如来像、その他もろもろ

 

【山菜・温泉】南魚沼の「上の原高原温泉 いろりあん」は美味しい山菜が満喫できる温泉宿

 新型コロナのせいで2シーズン行けなかったいろりあんに、3年振りに山菜を食べに行ってきました。とっておも美味しい山菜を満喫し、温泉にもゆっくりつかって、とてもゆったりできました。

 

六日町インターから車で5分の上の原高原温泉

 いろりあんのある上の原高原温泉は、関越道六日町インターから西へ車で約5分。山間に開けた平地に何軒かの宿が建っていますが、近くにはムイカスノーリゾートや上の原公園があって、広々とした感じです。宿の隣には田んぼがあり、夜はカエルの合唱、朝は鳥のさえずりが聴こえてきます。

ロッジ風の和風旅館。ベッド室もあり。

 外観はちょっとロッジ風の和風旅館です。和室とベッド室があります。

南魚沼の景色を眺めながらはいる露天風呂。

 温泉は、男女別の大浴場があり、それぞれに露天風呂がついております。南魚沼の風景を眺めながら入る露天風呂は格別です。

 無色透明のお湯は肌にやさしく、pH7.7の弱アルカリ性で、ちょっとヌルヌル感のある美人の湯系です。泉質はナトリウムー塩化物温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)。

 加水はしていませんが、循環・加温・消毒をしています。

 源泉温度が52.9度なのに加温をしているのはちょっと不思議です。溢れ出るお湯の量から推測すると、かなりの源泉が供給されていると思われるのですが。供給所の源泉が宿に到達するまでに温度が低下しているのかもしれません。

夕食はお待ちかねの山菜食べ尽くし。ご飯はもちろん魚沼産コシヒカリ

 さあて、山菜食べ尽くしの夕食です。お食事処でいただきます。

 こごみ、ぜんまい、ふき、わらび、木の芽(アケビの芽)……。

 こちらは山菜しゃぶしゃぶ用。右からもみじがさ、根まがりだけ、うど、こごみ、赤こごみ、ふきのとう、こしあぶら、うるいです。

 しゃぶしゃぶ用のお鍋でまず山菜を煮て、いただきます。ぽん太にとっては肉よりも山菜がメインです。

 そばがきとイワナの塩焼きが熱々で運ばれてきます。

 そして山菜天ぷら。うど、ふきのとう、たらのめ。

 ご飯はもちろん魚沼産こしひかりです。ぽん太の好きなちょっと固めに炊き上げてあるのが嬉しいです。香りも旨味も申し分ありません。

 朝食のお米はもう一つのブランド米・しんのすけ

 こちらは朝食です。釜で一人分ずつ炊き上げたご飯は、ブランド米のしんのすけ。大粒で甘味があってこれまた美味しかったです。

 

 また来年も来たいな〜。コロナがこのまま治まるといいのですが……。

 

基本情報

【旅館名】いろりあん

【温泉名】上の原高原温泉

【住所】新潟県南魚沼市小栗山2089の4

【公式サイト】・http://www.irorian.co.jp

【宿泊日】2022年5月中旬

【泉質】ナトリウムー塩化物温泉(低張性弱アルカリ性高温泉)

  加水(-)、加温(+)、循環(+)、消毒(+)

【宿泊料】山菜食べ尽くしプラン。和室12畳。2名1室、1人13,750。さらにリピーター割で1,000円引き!

 

ごあいさつ

 みなさん初めまして。

 これまでココログに「ぽん太のみちくさ精神科」を書いてきましたが、無料プランの容量がいっぱいになってしまったので、新たにHatena Blogで「ぽん太のよりみち精神科」として書いていきたいと思います。

 まだ使い方がよくわからないのですが、だんだんと覚えていきますので、よろしくお見守りのほどお願い申し上げます。