ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。以後お見知り置きをお願いいたします。

【六善光寺御開帳】関善光寺の善光寺如来は小さめだけど、阿弥陀如来の大仏もあるよ。

 6年に1度の六善光寺御開帳、次は岐阜県関市にある関善光寺です。善光寺如来は小さめですが、丈六の阿弥陀三尊像などもあり、お参りする価値ありです。

本堂(善光寺如来堂)

 車で行く場合、東海北陸自動車道の関インターからも美濃インターからも10分程度。

 まずは回向柱に触れてお祈りを捧げてから、本堂(善光寺如来堂)に入って善光寺如来さまのご参拝です。拝観は無料です。

善光寺如来は小さいです

 写真は見つからなかったのですが、動画がありました。そのうちリンク切れになるかも。

 けっこう近くで拝観できるのですが、なんせ仏さまがちっちゃいです。六善光寺のなかでは最小か。中尊が十数センチしかない感じ。双眼鏡を使っても細部までは見えません。関善光寺公式サイトによると、赤栴檀(あかせんだん)という香木で作られているそうです。ちなみに長野市善光寺の前立本尊は金銅ですね。

戒壇巡りは日本で唯一の卍字型

 戒壇めぐりは有料だったので「4ヶ所目だしもういいかな」という感じで省略したのですが、入っておけばよかったです。日本で唯一の卍字型戒壇巡りで、全長48メートルもあるんだそうです。

寛政10年の回向柱

 本堂の中に、別の小さめの回向柱がありました。ちょっと古びていて「寛政」という文字が読めます。案内係の方が由来を説明して下さいました。

 寛政10年(1798)に長野市善光寺の出開帳(でがいちょう、御本尊を運んできて公開すること)がこのお寺で行われたのですが、その時使われた回向柱だそうです。

 ありがたい善光寺如来さまは大評判を呼び、大いに賑わったこそうです。これが縁になって東京の上野輪王寺の公澄親王の御念持仏(個人的な礼拝のための仏像)だった善光寺如来を賜ることになったため、本山の善光寺を模した本堂を建立し、ご本尊として祀ることになったんだそうです。

大仏殿(摂取殿・旧本堂)

 大仏殿は、現本堂(善光寺如来堂)ができるまで本堂だった建物です。

丈六の阿弥陀三尊像

 善光寺如来を祀る以前の本尊だった、丈六の木造阿弥陀三尊像があります。丈六(じょうろく)というのは仏像の高さの標準の一つで、立った時に一丈六尺(約4.85m)あるもので、座った時は半分の八尺(約2.42m)となります。中央の阿弥陀如来さまの高さですね。見上げるような大きさです。

 なんだかちょっと普通っぽいお顔。案内板にはざっくり約500年前の作と書かれておりましたから室町時代後期でしょうか、そんな感じです。

 案内板や公式サイトによると、元々は岩手県の平泉中尊寺にあったものを、千葉県の泉倉寺を経て、1753年にこの寺に受け継がれたのだそうです。

 胎内仏として行基作と言われる宝冠阿弥陀如来があるんだそうですが、どこかに安置されていたのでしょうか、見逃しました。

創建に関わる新屋新太郎利忠像

 なんかプラモのように彩色されておりますが、「新屋新太郎利忠像」とのこと。 

 「誰それ?」という感じですが、私財を惜しみなく寄進して上の丈六阿弥陀三尊を貰い受け、本堂(現大仏殿)を建立した立役者がこの人です。

角大師で有名な元三大師像

 なぜにお供えがワイン?

 元三大師は慈恵大師とも呼ばれ、平安時代天台宗の僧で、比叡山中興の祖とも称されます。後には「角大師」の護符とともに厄除け信仰と結び付けられました。この辺りについては、ぽん太の過去の記事を参照してください。

 ・【仏像】深大寺の鬼大師205年ぶり特別公開: ぽん太のみちくさ精神科(2021.11.16)

大日堂

 こちらの八角形のお堂は「大日堂」。平成8年の落慶だそうです。

中国(明〜清)の大日如来

 なんか現代っぽい表情。両手で結ぶ印相も、大日如来の通例の智拳印や定印ではなく、ぽん太が見たことないものです。こりゃ明治以降の新しい作かな〜と思ったら、案内板によると、中国の明〜清の時代に作られたものだそうです。

その他にも様々な仏像があります

意外に味のある如意輪観音石仏

 こちらは、境内の一角にある岩壁の洞窟前に安置された如意輪観音の石仏。いわれはわかりませんが、なんか味があってぽん太は好きです。「寄進者◯◯工業◯◯」という張り紙がありますが、そんなに新しいものとも思えません。

十王堂の地獄関係者たち

 十王堂にいらっしゃる閻魔さまその他地獄関係者の皆さま。

行者堂の役小角

 境内の一角の岩盤を背にして、定型的なお姿の役小角の石像があり、手前のお堂を通して拝めるようになっております。

 ん?手前にある小さな仏像は何でしょうか? 折れた腕が足の上に乗っけてある? 怖い顔をして ますから不動明王でしょうか? よくわかりません。

にこやかな弘法大師さま

 にこやかに笑っておられます。

基本データ

【寺院】関善光寺(妙祐山宗休寺:みょうゆうざんそうきゅうじ) 天台宗安楽律法流

【住所】岐阜県関市西日吉町35

【拝観日】2022年5月下旬

【拝観】御開帳期間:2022年4月3日〜6月29日

    拝観料:無料 戒壇巡り:300円

【関連サイト】

 ・関善光寺公式サイト:https://www.seki-zenkoji.jp

 ・六善光寺同時御開帳公式サイト:https://gokaicho.net

【仏像】 

本堂

 善光寺如来 木造

大仏殿

 阿弥陀三尊像 木造

 新屋新太郎利忠像

 元三大師像

大日堂

 宝冠大日如来 金銅 明〜清

その他

 如意輪観音石像(屋外)

 十王像など(十王堂)

 弘法大師像(弘法堂)

 役行者石像(行者堂)