先週のウィーンフィルに続き、こんどはベルリンフィルを鑑賞。なんと贅沢なことでしょう。
指揮はロシア人のキリル・ペトレンコで、曲目にはリヒャルト・シュトラウスの交響詩が入ってて、なんだかウィーンフィルと被ってるような……。それともコラボ企画か?
ペトレンコを生で聞くのは初めてですが、ロシアのオムスク生まれ。ロシア中南部の都市で、いわゆるシベリアにあり、南側はカザフスタンです。父親はウクライナのリヴィウ出身とのこと。
レーガー:モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ
以前から退屈な曲だと思っていましたが、生ベルリンフィルで聴くとオケの素晴らしさは堪能できましたがやっぱり退屈で、チケット代のうち8千円分くらい寝てしまいました。
1914年に書かれた曲で、レーガーは作曲するにあたって、当時の音楽界の混乱、同時代人たちの作品の不自然さ、奇妙さ、奇抜さへの対抗の宣言という意図があったそうですが(モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ - Wikipedia)、なんか混乱して奇抜な作品の方がいいような。
余談ですが、最初に楽団員が出てくるところで、おっきな体のヴィオラ奏者が「オレの席がない」「お前出ないだろ」みたいな感じで揉めてて、結局引っ込んでしまいました。出番を間違えたのでしょうか。
R.シュトラウス:交響詩『英雄の生涯』 Op.40
リヒャルト・シュトラウスの交響詩はぽん太の苦手とするところで、ちょっと苦行を覚悟していたのでが、自分でもびっくりするくらい楽しんで聴くことができました。
メロディーや和音進行も聴きやすいし、戦争や恋愛などテーマもわかりやすかったです。
この何層にもなった複雑な音楽は、パソコンにYoutubeでは聞き取れませんね。「生」で聴く価値がありました。
もちろんペトレンコ、ベルリン・フィルの演奏が素晴らしかったせいもあるでしょう。
ぽん太は指揮や演奏の良し悪しを云々する力はありませんが、ペトレンコの指揮は情熱的で、戦争のシーンなどは打楽器や金管楽器の音が耳をつんざくような激しさで、モーツァルトやベートーヴェンとは全く異なる音楽的世界を体験できました。樫本大進の「英雄の伴侶」のソロも、フレーズの終わりの力の抜き方が絶妙で、魅惑的でありながら俗っぽさがなくあくまでも「音楽」でした。
公演情報
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団来日公演2023年
指揮:キリル・ペトレンコ
2023年11月23日
サントリーホール
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/events/berlin-phil/outline/tokyo.html
プログラムB