ぽん太のよりみち精神科

たんたんたぬきの精神科医ぽん太のブログです。ココログの「ぽん太のみちくさ精神科」から引っ越してまいりました。最近はオペラやバレエの感想や、温泉のご紹介が多いです。以後よろしくお願いします。

舞台芸術としてのオペラ「トゥーランドット」英国ロイヤル・オペラ2024

 英国ロイヤル・オペラの来日公演。ぽん太は日程の都合で今回は「トゥーランドット」だけを観劇。

 さすが演劇の国イギリス。演出や美術が見事で、ひとつの「舞台」を見たという満足感がありました。もちろん歌手も素晴らしく、パッパーノが指揮するオケも迫力満点でした。

 トゥーランドット役のフンデリングは代役でしたが、声量があり堂々たる歌声でした。カラフのジェイドも伸びやかで声量豊かな声で素晴らしかったのですが、お待ちかねの「誰も寝てはならぬ」は、イタリアオペラのような色っぽくてねっとりした感じがなく、ドイツオペラみたいな端正な歌い方で、ちょっとがっかりしました。

 リューのラングワナシャは体格の良い黒人女性で、美しい歌声でしたが、はかなさには少しかけました。ピン・パン・ポンは歌だけではなくコミカルな演技がまるで役者さんみたいで、この三人がこんなに面白いとは知りませんでした。

 演出や美術も見事で、冒頭で舞台全面に吊るされた数本の赤い帯が、舞台に切り落とされて劇が動き出すところは、ちょっとあざといな〜と思ったのですが、その後も次々にアイディアが繰り出され、舞台のセンターだけでなく隅々でも出来事があり、視覚的にも飽きることなく楽しむことができました。またバレエの使い方も効果的で、振付もバレエとしても面白く、かつ舞台に溶け込んでいました。

 パッパーノ指揮のオケは、ぽん太の席が袖の前の方だったため、真下から音が直接響いてくる感じで、大迫力でした。激しくテンポを刻み時に加速していく打楽器、幻想的な5音階、浮遊するような調性など、「トゥーランドット」の音楽の素晴らしさに改めて気がつきました。その分、プッチーニの他界によってアルファーノが補作した部分の音楽は物足りなく、最後までプッチーニで聴きたかったな〜と思いました。

公演情報

英国ロイヤル・オペラ 2024年日本公演

ジャコモ・プッチーニ
トゥーランドット

2024年6月23日
東京文化会館

公式サイト:「トゥーランドット」/英国ロイヤル・オペラ/2024/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会

指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:アンドレイ・セルバン
再演演出:ジャック・ファーネス
美術・衣裳:サリー・ジェイコブス
照明:F. ミッチェル・ダナ
振付:ケイト・フラット
コレオロジスト:タティアナ・ノヴァエス・コエーリョ

トゥーランドット姫:マイダ・フンデリング
カラフ:ブライアン・ジェイド
リュー:マサバネ・セシリア・ラングワナシャ
ティムール:ジョン・レリエ
ピン:ハンソン・ユ
パン:アレッド・ホール
ポン:マイケル・ギブソン
皇帝アルトゥム:アレクサンダー・クラヴェッツ
官吏:ブレイズ・マラバ

ロイヤル・オペラ合唱団
ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
NHK東京児童合唱団 NHK Tokyo Children Chorus