今年のゴールデンウィークは、ネパールにハイキングに行ってきました。しかカトマンズからポカラへの国内便がポカラの視界不良のため欠航し、飛行機なら30分のところを、車の移動で8時間かかりました。ポカラの視界不良の原因は、霧だとか山火事だとか言われておりますが、行ってみて真相がわかりました。
ネパール国内便は視界不良による欠航が多い
ネパールの国内線は、視界不良による遅延や欠航が多いことで有名です。

ネパールの乾季は10月から5月で、この時期は晴天が続きます。
しかしカトマンズは標高1400mの高所にある盆地のため霧がかかりやすく、特に午前中が多いです。
上の写真は、ぽん太が2009年の年末にに訪れたときに、カトマンズからルクラに向かう飛行機から離陸直後に撮ったカトマンズ市街の写真です。霧でけぶってますね。このときはルクラの天候も安定せず、約4時間の遅延でした。
今回のGWの旅行では、カトマンズは快晴で青空が見えておりました。またポカラも天気予報では快晴。当然飛行機は飛ぶものと思っていたのですが、いざ空港に着いてみると、朝から1便も飛んでないとのこと。ポカラ周辺の視界不良のためで、現地ガイドさんの話では、ここのところ山火事による視界不良が続いているとのことでした。運賃の払い戻しなどの関係でフライトがキャンセルされるのを待ち(けっこう時間がかかりました。さっさとキャンセルして欲しいです)、車をチャーターして陸路でポカラに向かうことになりました。
ネパール国内便は有視界飛行?
ガイドさんの話では、ネパールの国内便は着陸時にレーダー誘導がなく、パイロットが滑走路を目で見て着陸するため、視界が悪いと着陸できないそうです。
後から調べてみたところ、現在カトマンズのトリブバン国際空港にはレーダーによる管制設備が日本のODAによって整備されているようです(外務省: [ODA] 広報・資料 ODA個別評価報告書 「ネパール・インフラ整備分野」評価報告書)。国内便がどうなっているかは、ぽん太にはよくわかりません。

上の写真がポカラ空港です。中国企業により2023年1月に造られた新空港で、以前の空港とは見違えるように立派になりました。計器着陸装置が設置されているようですが、こちらも国内便がどうなのかはよくわかりません。
カトマンズからポカラまでの地獄の陸路

カトマンズからポカラまで飛行機なら30分。しかし陸路だと8時間かかります。この道路も中国企業が整備しているそうですが、あちこち工事中で舗装路と未舗装路が交互に繰り返されます。未舗装路は掘られたまま放置されているためかなりのデコボコで、下手すると時速10kmぐらいになります。さらにインドからネパールに来たトラックが峠道をノロノロと登り、ほとんど片側一車線のため追い越しもスリリングで、対向車と正面衝突するのではないかと気になって気分が悪くなってきます。

乾燥した粉末のような土なので、舞い上がる埃の量もすごく、道路周辺がけぶってます。不気味に赤く輝く夕日。道路周辺の住民は、よくこの埃の中で生活できますね。

モネの「印象 日の出」を思い出しました。
ときどき散水車が道路に水を撒いてますが、そうすると今度はドロドロになってしまい、どっちがいいのかよくわかりません。
ポカラの視界不良の原因は霧ではない

今回宿泊したダンプスの「つきのえい」からの景色。視界不良で近くの山がかろうじて見える程度。自慢の6000m級の山々はまったく見えません。

風の旅行社のサイトからの写真です。本当はこのような大パノラマ見えるはずでした。中央がマチャプチャレ(6993m)、左がアンナプルナ・サウス(7219m)、右がアンナプルナIV(7525m)とII(7937m)です。これを見にきたのですが……。

視界不良の原因は、霧(細かい水滴)ではありません。乾季で雨が降らず、空気はとても乾燥しております。
上の写真は日の出の風景ですが、早朝にもかかわらず地面の草には夜露が降りておらず、パサパサに乾いてます。
原因は山火事の煙

視界不良の原因は、実は山火事の煙です。高いところから見回すと、あちらこちらから煙が上がっているのがわかります。
雨でも降れば粒子が地面に落ちるのですが、今年は長く雨が降っておりません。また煙を吹き飛ばしてくれるような強い風も吹いておらず、煙が大気中に漂い続けています。

夜になると、オレンジ色の炎も見えます。
ロッジの近くでも山火事が起きており、夜中に寝ていると、竹が焼けているのかパンパンとはぜる音が聞こえ、ちょっと不安になりました。
なぜ山火事が起きているのか
ポカラのこの時期の平均最高気温は32度程度で(ポカラ の気候、月別の気象、平均気温 - Weather Spark)す。晴天が続いて空気が乾燥しているとはいえ、木々の葉っぱは青々としていて、下草も枯れてはおらず、自然発火によって山火事が起きているとは思えません。
現地ガイドさんの話では、住民が意図的に火をつけて木や草を燃やしているのだそうです。
それを聞いてぽん太は「焼畑農業」を行なっているのかと思いました。焼畑農業は、森林に火をつけて燃やし、焼け跡を農地とする方法です。木を切って整地する手間がなく、焼けた木の灰が肥料になるというメリットはありますが、数年で地力が低下して作物が育たなくなり、森林破壊によって保水力が低下したり崖崩れが起きやすくなるなどのデメリットが多く、いわゆる「持続可能」な農業形態ではありません。

ところがよく見ると、生活道路の道端に焼け跡があったりします。また焼け跡が耕作地として使われているのも見かけませんでした。焼畑農業が行われているわけではなさそうです。
おそらく藪や下草を刈るのが大変なので、火を放って焼いているのではないでしょうか。日本でいう「野焼」に近いかもしれません。そしてそれが場所によって森林に燃え広がっていると思われます。
現地の人々に確認することまではできなかったので、あくまでぽん太の推測ですが。

ガイドさんの話では、住民たちは山火事を不安には感じていないようで、環境破壊なども考えておらず、野焼をした方がかえって山にいいと思っている人も多いそうです。
現地ガイドさんによれば、以前は藁屋根が多かったため、ネパール政府が火を付ける行為を厳しく取り締まっていたそうですが、近年はほとんどが金属製の屋根になったので、野焼を黙認するようになったのも一因だそうです。